女性獣医師の活用について、私なりに補足したいと思います。
私が大学に入ったのは昭和48年。
当時は4年制で数年後に6年制に以降するような時代でした。
そうなるとどうなるかというと、本来6年間かかって勉強する内容を4年で仕上げなければならないわけで、私のイメージとしては忙しかったというのが実感。
年次ごとについてこれない人は留年者となり、最後に国家試験。
昨年の国家試験合格者は70％〜80％と言うところでしたかね。
私の年もそんなものだったと思います。
そうすると、後になって振り向いたら同じ春に大学の門をくぐった仲間の半分は、私と同じ年には獣医師になってなかった。
何が言いたいかというと、弁護士試験の難しさがよく言われますが、それほどでは無いにしても厳しい受験戦争の上獣医の大学に入っても100％獣医師になれるわけではない。
選ばれた人、ふるいにかかった人が残るわけです。
その間、国立大学では国税が、私学では私学助成金が学生の教育のために支払われる。
つまり、獣医師を育てるために社会はコストをかけている。
そんな有資格者をペーパー化するのは社会の損失だと思う。
また、ペーパー獣医師の問題を放置して、大学を新設するなんて、無駄を放置する行為。
首相自身が「一億総括役社会」を唱えているのだから、私は女性獣医師が働きやすい状況を作ることこそ、大学新設より前にすることだと思います。
社会的コストは、一年生を集めて育てるよりはるかに安価なのですから。