獣医師広報板ニュース

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Re2:犬 リンパ腫?
投稿日 2016年11月23日(水)11時46分 投稿者 けりーずはうす

teckelさん
ご心配ですね。
以前の私の返信で、「猫」と間違えていたこと、ごめんなさい。
犬さん、だったですね。

さて、現在の状況の原因をはっきりさせることが大事でしょう。
たとえば、腸間膜リンパ腫が大きくなったり、腸管内の腫瘍により腸閉塞が起きているのであれば
内科療法では治まりませんね。
そうではなくて、やはり化学療法の副作用であれば、対症療法ですがそれを抑えるための
点滴および肝臓治療が優先となります。

私が、動物の化学療法を押し進める条件としては、現在体調が安定していることとしています。
例えば、腫瘍により体調が優れない状態で無理に化学療法をしてみても
結局、副作用などで一旦中止せざるを得なくなるからです。
体調が悪いなら、まずはそこを治療し、体重が増加傾向もしくは維持できているのを
確認してからということにしています。

化学療法の行い方には、獣医師の考え方や飼い主さんの希望などもあるでしょうから
こうでなければならないということはないと思います。

私自身は、動物の体調を崩してでも行う化学療法はあまり好みません。
化学療法を行う前に、体調を整えたり副作用を軽減する目的で
以前おすすめしたような栄養補助食品や高濃度VC点滴などを行います。

これらで副作用もないとは言いませんが、1週間のうち体調が悪いのが3日以内であれば
体重も減ることが少ないですし、動物が「機嫌よく過ごす」日が
週の半分以上は可能ですので、飼い主さんも安心できますね。
これ以上の強い副作用が出る場合は、飼い主さんと相談します。

何のために治療するのか、を考えてみていただきます。
どんな状態でもいいから、少しでも長く生きて欲しいのか
短くても、機嫌よく楽しく過ごせる日を作りたいということなのか
そのためには、どうすればいいのか、だと思います。
前者の場合は、とことん治療する選択でしょうし、後者の場合は動物の体調を見ながら
選択していくことになるでしょう。
どちらであっても、間違いではないのだと思います。

私も、人より多くの犬、猫を見送りました。
その中には、安楽死を選んだ子もいましたし、外出していた私を待って亡くなった子
見送るために手元に置いたのに、仕事中に一人でひっそりと逝ってしまった子もいました。
死に向かっていく動物の傍でいつも思うのは、最期の時は、必ず見守りたいということです。
「ありがとう」と伝えるためです。

今は少し辛くても、teckelさんと犬さんが安らかな時を過ごす日が来ることを祈っています。

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