君がいなくなって３ヶ月と少しが経ちます。
だけど未だに君の鳥籠を置いていた場所の横を通るとき、脅かさないように忍び足になってしまいます。この癖はずっと治らない気がするな。

私は小さい頃から動物が大好きだったけど、喘息持ちだからペットは飼えなくて。
でも小学校高学年になった頃にはだいぶ丈夫になったから、本当はお医者様には駄目だって言われてたんだけど、小鳥一羽くらいなら飼っても良いよと両親が言ってくれた。
小学６年生の夏。私は大好きだったお祖父ちゃんが死んじゃってすごく落ち込んでたから、きっと両親は励まそうとしてくれたんだと思います。
それで近所のペットショップで出会ったのが、君でした。

本当は水色のセキセイインコを飼う！って決めてたんだけど、ガラスケースの中にいる小さな黄緑と黄色の二色の君に一目惚れして、あっさり計画は変更になりました。

最初はびくびくしてた君はすぐに私になついてくれたね。羽を切ってた訳じゃないのに、何故か君は全然飛ばなくて。私が呼べばすごい早さで走ってくる。
一生懸命くっついて歩いて。私が座れば嘴と足で上手に肩までよじ登ってくる。
そんな姿が可愛くて、何度も床に下ろして登り直させたりして、しょっちゅう意地悪なことをしちゃったね。ごめんね。本当に可愛くて仕方なかったんだ。

あの日、朝出掛ける前はいつも通りだったのに、夜私が帰ると君は母の手のなかで冷たくなってたね。小鳥は病気で弱ってるのを本能的に隠すって話を聞いていたけど、あんなに解らないものなのかな。それとも私がよく見ていれば気づけたのかな。ごめんね。

私の名前を呼ぶ声や、ちょっと音程の外れた歌声や。テーブルの上をてちてちと走り回る君の足音が聞こえないのは辛いです。
からっぽになった鳥籠を見るのは辛いです。
何度も死んじゃおうかと思ったよ。でも、そんなことしちゃいけないよね。最後まで頑張って生きた君に失礼だよね。だから私も、頑張って生きます。

君のいた７年間は、私の生きてきた人生の中で一番幸せな時間でした。私がそっちにいくまでは、お祖父ちゃんに可愛がってもらってね。

今まで本当にありがとう。
これからもずっと、世界で一番愛してるよ。