獣医師広報板ニュース

災害と動物掲示板過去発言No.0700-201103-47

Re:教えてください
投稿日 2011年3月19日(土)14時33分 投稿者 プロキオン

>保護している保健所での期限は3日位でその後殺処分との書き込みあります

このような書き込みは、流言飛語の類に近いものであって、愛護センター・管理センターの職員にしてみれば、侮蔑以外のなにものでもないでしょう。

これらのセンターは、確かに犬の処分を行っています。けれども、それは狂犬病予防に定められた規定にそったものであって、法律上は、施設に「不用犬」として連れてこられた犬については「引き取らねばならない」であって、引取りを拒む権限は職員にはありません。引取りを拒むことが、法律に違反してしまうのです。飼い主さんの翻意を待つ期間が3日間なのです。
また、逸走してしまった犬も収容先は、これらの施設となりますが、3日間という期間は、同じく狂犬病予防法に基づく期間であって、これは、法律制定当時に狂犬病に罹患しているかもしれない犬を処分することに主目的があったからです。現在では、この3日間の間に飼い主と遭遇することができないことがあってはいけないということで、長めにとる施設も出てきています。
獣医師広報板も、繋留期間を延長するように働きかける活動もしてきておりますし、飼い主のもとへ一刻も早く帰宅できるように迷子保護の連絡掲示板活動にも力を入れております。世間では、今回の質問のように保健所やこれらの施設を誤解している方が多く、なかなか迷子の連絡を入れていただけないことが多いのですが、これらの施設と警察に、犬がいなくなったという連絡を直ちにとることが、もっとも発見に繋がる確率が高いのが事実なのです。
探している飼い主は、まっさきにこれらの施設に連絡をとらなくてはなりません。そのうちに帰ってくるだろうという安易な考えでいる事が、犬の運命を決めてしまう事になっているのです。これは施設の職員の責任ではありません。

さて、今回の被災での動物の保護ですが、すでに各施設は何頭も動物が保護されてきております。少し冷静に考えて欲しいのですが、今の状況で動物達を何頭も収容できる施設というのが、他にあるのでしょうか?
まとまった数の動物を収容できる施設は、他にないと思います。愛護センター・管理センターは、道路上で保護された飼い主不明の動物の収容先として法律で定められています。そして、そのために動物診療設備の設置の義務もあります。
すなわち、動物の保護という本来の機能が、ここにきてやっと理解される機会がきたとも言えます。職員も被災した中で頑張って世話をしているわけです。犬を処分するために家庭を後回しにしているわけではありません。
動物達も、決して飼い主さんから「不用犬」として持ち込まれたわけでもありません。再び、飼い主さんと暮らす事を前提としての収容なのです。で、あれば、なぜ、3日間で処分などという失礼な言葉が出てくるのか理解に苦しみます。そのような誤解は正さなくてはならないでしょう。

すでに各県とも保護のために動きだしていますし、電話や電気の復旧した施設であれば、そこに電話を入れてみれば確認できる事です。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。