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新聞報道:「放れ牛」被ばく調査へ
投稿日 2011年11月17日(木)10時51分 投稿者 プロキオン

昨日(2011年11月16日)の新聞に表記タイトルで記事が掲載されていました。サブタイトルが「人の影響評価に活用」とあります。
この記事によると北里大学のI先生達が、相馬市内の牧場に繋留されている牛70頭余りを対象に農林水産省の補助をうけて実施する予定とあります。
I先生によると主な研究内容は、次のように説明されています。
(1)牛の内臓の汚染分布
(2)汚染されていない餌を与えた場合の内部被ばくの低減程度
(3)土壌、牧草、牛肉に放射性物質がどのように移行するか
将来的には、畜産農家の放射線防護対策や人間の内部被ばくの影響評価にも役立てたい考えでいるとか。


やはり、研究課題を見てみると、スッキリとしないものを感じざるをえません。(1)の内臓汚染分布は、当然のことであって異論はないのですが、牛の体の内部を生きたまま測定できる機器があるのでしょうか? (3)についても測定機器については、同じ事が言えるます。さらに、すでに体内被ばくがある牛が対象であれば、これは意味がないはず。まだ汚染されていない牛を対象してこれから開始するのでなければならないはずです。と、同時にホットアトムを扱うことになりますから、それなりの設備基準が求められます。
つまり、(1)も(3)も、「生きたまま」というのではなく、「牛を調査に活用する」という観点からでないと目的を達成できないのではないかと思うわけです。


したがって、福島の牛を対象とするのであれば、(2)くらいしか適当な理由がないように考えます。
その(2)についても、被ばくから、これだけの期間が経過すればもう大丈夫ですという時間を知りたいということになるのでしょうが、それこそ、広島・長崎を経験された方達はどう考えるのでしょうね? 
放射性物質の半減期を考慮してみれば、それだけの期間が経過した後で「肉」として販売できるというものではありません。まず、購入しようという消費者がいないでしょうし、科学的に安全という評価が出ていても、そこまで歳をとった牛の肉は「肉質」としては、最低ランクになってしまうことでしょう。それでは、畜産の研究とは言えません。


どの項目をとってみても、あくまでも人間のための研究ということになるのでしょう。もとより、獣医学は人間のための学問であるということになりますから、それについては、異議を挟みようは無いのですが、やはり、スッキリとしません。
動物愛護団体の批判をかわすことが目的の調査・研究に見えてしまうからに他なりません。主たる目的とこの際だからという目的とが重なっているように見えて、素直に受け取れないのです。
本当に必要な調査であると考えるのなら、どのくらいの期間を想定しているのでしょうか?


注: 血液中に含まれるセシウムの濃度が1kg当たり10ベクレル未満であれば、牛肉における濃度は食品衛生法の暫定規制値を下回ると予測されるという調査結果を福島県がまとめており、県は、「生きたまま測定できる方法」の開発を模索しているようであって、この牛たちの調査にも意欲があるとの報道もあります。

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