獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200411-53

子犬を飼い始めたら
投稿日 2004年11月20日(土)11時26分 投稿者 海が好き

今まで1頭(今の子:1歳半のシェルティ)しか飼ったことがない私ですので、間違っている点もたくさんあるとは思いますが、1年半暮らしてみての実感です。

 初めて犬を飼う人が子犬と暮らし始めて最初にすべきことは、その子犬をよく観察することだと私は思います。1日に何回排泄するのか、その直前のサインは何か、疲れ始めたときにはどんな様子をするのか、嫌がっているときや喜んでいるときの表情はどんな風か、等など。もちろん犬の気持が分かったり、健康状態を把握するためにというのもありますが、私自身は、観察することを通して、初めの「きゃー!カワイイ」という興奮に満ちた溺愛状態から、一歩距離をおくことができたと思います。今になって考えると...ですが。

 犬と暮らしていくためには、ちぃさんが書いていらっしゃるように、人間が基本的なペースを作るようにしていかなくてはならないわけですが、それができるようになるには、飼い主が頭を冷やす必要があると思うのです(少なくとも、私はそれが必要でした)。今、私にとって、うちの暴走娘は、「かけがえのない我が子」であると同時に、「所詮犬」でもあります。このバランスがあるからこそ、ベタベタに可愛がった直後でも、極妻モードで「ノー!」が言えます。彼女も、私を「優しいけど、逆らったら怖い」と思っているようです。

 しつけ教室に行ったり、いろいろな本を読むことはもちろん大切だし、早い内からたくさんやった方がよいと思います。ただ、それと同時に、一旦頭を真っ白にして自分の愛犬を観察することもしないと、情報に振り回されて育児ノイローゼになってしまいかねません(一時期、私も経験しました)。いろいろ読んでみて「今の日本では、犬の訓練に関して、新旧様々な説が入り乱れている。全部取り入れようとしたら訳が分からなくなる」とも感じますし。

 例えば「おやつでしつけ」一つをとっても、「犬が卑しくなる」「おやつがないと言うことをきかなくなる」と書く”専門家”がいる一方で、「犬にその行動を条件付けるために、初めは必要」と書く”専門家”がいます。「どっちが本当なんだ?!」と悩みましたが、結局、私は「試してみて効果があがった方法」を採用することにしました。要は、自分の家族として落ち着いて暮らしてくれればよいわけですから。おやつも、おもちゃも、遊びも、そのための道具と考えればいいのかなーと、今は思っています。どう使うかは、臨機応変に飼い主が工夫すればよいのではないかと。

 まだまだ100%コントロールというところまでは行っていませんし、発展途上の我が家のドッグライフですが、なんとか一緒に旅行しても「そんなに」困らないレベルにまでは到達できました。ほとんどの行動は、これから頑張ればなんとかできるとも思います。とはいえ、口に手を入れたり、車の音に慣らしたりするのは、子犬のときにもっとやっておくべきだったと痛切に感じています。前にも書きましたが、どうか犬が嫌がりそうな音や扱いには、いわゆる社会化期にしっかり慣らしてあげて下さい。他のことは、(特に小型犬なら)生後半年以降からでも十分に教えられると私は思います。

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