獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200705-34

Re:12歳犬の心臓肥大による咳の対応について
投稿日 2007年4月20日(金)02時49分 投稿者 パールちゃん

うちは15歳(メス)心臓肥大・慢性心不全です。
排尿排便後、寝ていて急に起きたとき、冬の朝、仲間と小競り合いでウゥ〜とうなったあとなど、ハーハーハーハーと息がすぐ上がり、それですぐ治まるときもあればそこから咳を誘発してしまうこともあります。
うちの場合、咳のときは背中をさするよりもノドから胸にかけてをなでおろすようにそっとさするほうが犬は早く楽になるようです。
背中をさすると人を見上げようとして犬は頭を上げてしまうんですよね。
頭を下げるほうが早く咳は治まるので、そのためにも人はしゃがんで犬の顔の前に手を出して犬の目線を低くさせて、頭を上げないようにしています。
それと、咳が咳を呼ぶというか、咳を繰り返すことが刺激になってますます咳が出る感じになるので、咳の連発を瞬間的にストップしてみることもあります。
咳が連発しているとき、次の咳が出そうなタイミングを見計らって瞬間的にマズルをそっと下からつかんだり鼻先を手で覆ったりして、咳をやめさせてみます。
そうやって咳のリズムをわざと崩してやると犬は一呼吸ついて唾液をゴックンします。
ゴックンするとたいていはそれでノドが楽になって咳は治まります。
また、うちの犬は「ペロペロしてごらん」というと舌で口の回りをペロリと舐めるので、それによって落ち着いたり一呼吸ついたりして咳の連発を鎮めるのに役に立っています。
ハーハーハーハーと息が上がって呼吸が乱れたときも「ペロペロしてごらん」でペロリとゴックンをさせると息が整って落ち着いてきます。
咳や呼吸についての我が家の対処法はこんなところでしょうか。
昼間の咳のときは薬は使いませんが、夜間に咳で苦しそうなときは気管支拡張剤を使います。
長時間、留守番はさせないようにしています。
犬が一眠りしている間に急いで用事を済ませてくるという感じですね。

飲水量はどうですか?  
心臓肥大と咳と飲水量はセットで考えるといいと思います。
心臓肥大の進行によって肺や気管支が圧迫されて咳が出る・咳が出ると水をよく飲む・水をよく飲むから咳をする、三つ巴の関係ですから。
また腎機能の低下も同時進行している歳ですから、飲水と排尿の観察は欠かせません。
飲水量と一言で言っても、一日に飲む総量だけをチェックするのではなく、1回当たり飲む量がガブ飲みになっていないか、1回当たりは少ないけれど何度も何度も飲みに行ったりしていないか、時間帯によってすごく飲む時間帯とほとんど飲まない時間帯があるかとか、咳の出方と飲水の関連はどうかとか、いろんな面から飲水チェックができると思います。
心臓肥大や心不全が進行してくると水の飲み方に変化が出ますから、できるだけよく観察して変化を見逃さないようにすると獣医さんと投薬などのお話をするときの材料になります。
うちは利尿剤をごく弱く毎日使っています。
利尿剤は強すぎると水を欲しがってますます飲水量が増えて咳を誘発するので適量を見定めるのがむずかしい薬です。
飲水量と排尿量のバランスがうまくとれて咳に結びつかないようにするために、利尿剤をどう使うかさぐるのにうちの犬は半年くらいかかりました。
一時期は水のガブ飲みがひどく、そのせいで咳も頻発していましたが、今は適量の利尿剤で<飲む・出す>が安定しています。

老いて体のあちこちにガタがきていろんな心配事が出てくる、、これは自然の成り行きで、どうにかしたいと思ってもどうなるものでもない、、弱ってきた体は若いころのような体には二度と戻れない、、これだけは確かです。
そんなこと受け入れたくないけれど、受け入れなきゃいけない、、永遠に生き続けることはできないのだから。
となると飼い主にできることはふたつ。苦しくないようにさみしくないようにしてあげること。その子が喜ぶことをたくさんしてあげること。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。