獣医師広報板ニュース

ネコ掲示板過去発言No.1200-200104-76

清々しい週明けです
投稿日 2001年4月23日(月)12時35分 ツィツァ

今日の東京地方はさわやかな1日になりそうですね。

三日ぶりにこちらを覗いてみたら問題が山積みだったのですね。
亡くなってしまった仔猫ちゃん、本当にお気の毒です。
私も以前ヘソの緒付きを拾った時、獣医さんには、
「相当褌締めてかからないと、悲しい思いするからね」と
クギを刺されました。
私には幼馴染に獣医がいるのですが(海外に行っちゃってますが)
彼いわく、62日くらいで3〜5匹生まれてしまう猫だから、
弱い子や先天的疾患を持つ子がいて当然なのだそう。
ましてその状況なら人間が保護しなかったら、数時間も生きられなかったでしょう。
こういう話しを耳にするたび、なぜそんな場所で生れちゃったのかと言う
原点を考えてしまいます。

不妊手術で死んでしまう猫は、稀ですが残念ながらいます。
そして全てが医療ミスという訳ではありません。
人間にもいえることですが、先天的に麻酔処置をできない場合があるからです。
そのような場合、インプラントを使って発情を押さえている
飼主さんもたくさんいます。
後天的な原因は概ね血液検査で判るらしいのですが、
脳に欠陥がある場合はCTで処理しないと判らないらしいです。
人間と違ってこの設備が完備されている病院は少ないし、
費用も相当かかります。
そして何より検査そのものが猫によっては大変なストレスになるでしょう。
だからといって不妊手術をしないほうが猫のためなのでしょうか。
今の日本で不幸な仔猫を増やさない為に先ず必要なのは、
不妊手術だと思います。
どこからも愛情を受けることなく、短い命を苦しみながら終える
そんな猫たちの多さを考えると答えは出て来ると思います。
「我が家は完全室内飼いだから」と手術をしない飼主さんもいますが、
交尾する為の発情ですから、交尾ができないとなると
猫はどれだけの苦しい思いを強いられているでしょうか。
仔猫を食べる猫の話題が出ているので追記しますが、
動物は元々同じ種族を残す本能が備わっています。
なのに生まれたばかりの仔猫を殺してしまうことがあるのは
より強い子孫を残す為の間引きだとか。
これは猫に限りませんよね。
これ以外のケースとしてはやはりストレスが大部分を占めると
幼馴染の獣医は言っていました。

パイナップルさんのお話しの小屋についてですが、
対処療法だけでなく、地域社会のこれからも考えたほうが
よいのではないでしょうか。
飼い猫も一歩外に出れば、他人にとっては野良猫です。
猫好きがいるのと同様、猫嫌いの人もいます。
私が少ーしお手伝いしている地域猫活動は、
糞尿の片付けから町の掃除にいたるまで、
猫好きの方々がかなりの人数でやっています。
やはり1人ではできないことも集まれば行政を動かすことも出来るし
猫嫌いの人たちもそれなりに認めてくれてます。
ここまで来るのには相当の苦労があったそうですが、
人間関係で対立すれば犠牲になるのは猫なんだから…と、
頑張っています。
私は長年ボランティアで人間の心のケアをやっていますが、
地域猫活動もそれに通じていると近頃は思っています。
パイナップルさんのお話では刑事事件に発展しそうと言うことですよね。
飼い猫を外に出して問題が起こっているのだから、
飼主さんの意識も改める方向に持っていかないと、
本当の意味での問題解決は難しいんじゃないかしら。
たまに新聞に出ている、知識が乏しい為に猫屋敷になってしまって
結局は猫を不幸にしてる飼主さんっていますよね。
そのケースと一緒だとは思わないけれど、
人間社会を無視して利己的な飼い方をしていると
その皺寄せは全部猫にいっちゃうんですよね、悲しいことに。
どうすれはこの先々も共存できるか…と飼主の方が、
考えていただけると嬉しいです。
「出来ることを出来る範囲で」で充分だと思います。
ただ他人に迷惑をかけない、かければ責任を持つということは、
最低限で必要なことだと思います。
パイナップルさんも人間関係で一番苦労してることと思います。
大変だけど頑張ってください。

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