獣医師広報板ニュース

ネコ掲示板過去発言No.1200-200302-32

避妊済みの猫の発情
投稿日 2002年12月24日(火)16時37分 プロキオン

避妊済みの雌猫が発情の時と同じように鳴くというのは、およそ2つの理由が
考えられます。

1つは外へ行きたいという欲求不満からくるストレスです。発情時のあの特有
の鳴き声も、発情して鳴くのではなく、「発情して外へ行きたくて」鳴いてい
るのです。直接的には外出したくて鳴いているのです。外出の目的が異性を求
めてということなのです。
したがって、避妊済みの猫であっても、あの声でなくことはあります。

もう1つが、避妊術の際に卵巣組織が完全に切除しきれていなくて、組織の再
生が行なわれた場合です。この場合ですと、卵巣から卵胞ホルモンの分泌があ
るので、発情は回帰します。
このような場合でも、子宮までの切除術式がとられていれば、妊娠することは
ありません。

前者であれば、これは発情ではありませんから、所謂「心の問題」ということ
になります。後者であれば、こちらは発情ですから発情として処置しなくては
なりません。

去勢済みの雄猫がのしかかるようですが、雄猫であれば、去勢による精巣の有
無は確認できますよね。去勢雄がのしかかるのであれば、これは単純にマウン
トであるか、喧嘩によるものではないでしょうか?
避妊雌がこれを嫌がっているようであれば、猫同士の関係から外へ脱出したが
っている可能性も考えられます。

もし、どう見てもこれは発情であると考えられるのであれば、これはもう開腹
して卵巣組織があるか否か眼で確認するしかないです。
ホルモン注射という手段も考えられなくはありませんが、何度も繰り替えされ
ることを考えれば、開腹手術の方が早くて確実です。

もし、避妊手術がインプラント剤の埋め込み術であった場合は、単に有効期限
が切れたということなのでしょう。
卵巣及び子宮の切除術の場合、切除された各々の組織をキチンと確認していま
すか? これができていれば、心配なさるのには及ばないでしょう。
また、主治医の先生が「心の問題」としてしか取り合ってくれないのは、おそ
らく完全に切除してあるという自負がおありなのでしょう。


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