獣医師広報板ニュース

ネコ掲示板過去発言No.1200-200512-42

猫回虫
投稿日 2005年12月17日(土)19時54分 投稿者 sutemaru

分かりやすく書こうと思っては居眠りが出ていて、なかなかまとまらないうちにプロキオン先生からお返事が来ましたので遅ればせながら分かりにくいかとは思いますが、書いてみました。

写真見ました。なかなか居なくならないようでしたので、確かめました。
猫は猫回虫と犬小回虫に感染します。
猫回虫の発育様式は複雑で、それが中々駆虫出来ない原因にもなると思います。
猫が回虫に感染する方法は虫卵を舐めたりして直接口から入ってしまう場合(経口感染)、運搬宿主(多くはげっ歯類で虫卵を摂取して体内に幼虫を持っているもの)を食べてしまう(運搬宿主はこの寄生虫の伝播に重要な役割を果たしている。運搬宿主体内で幼虫は被嚢し、終宿主に食べられるまでそれ以上発育しない)、犬と違って胎盤感染は無いが母乳からの乳汁感染(猫回虫の幼虫は乳汁を介して子猫に伝播される事があり、子猫にとって重要な感染経路になっている。乳腺を通じて感染した場合、肝或は肺を遊走することがない)などがあります。
直接摂取された虫卵は胃或は十二指腸で孵化し腸管壁、肝臓、肺を経て(気管型移行)再び腸管に戻り、適当な環境条件下では感染28日で成虫になり約二ヶ月で糞便に虫卵が出てきます。
感染した虫卵のうち一部は体内移行型になり組織中に被嚢してこれらの幼虫に起因する乳汁感染が起きます。
待機宿主からの感染、乳汁感染ともに新しい宿主に入った幼虫は体内移行せずに腸管で直接成虫に発育します。

ですから基本的には回虫の幼虫は遊走するので二週間置いて二回治療すべきという事になります(感染する度合いでその回数が増える事があるということになりますね)。
つまり猫回虫は小腸に寄生する成虫は駆除しやすいのですが、未成熟虫に対しては完全に駆除するのは難しくて、投薬した後でもしばしば虫体が残っている事があり、消化管内の寄生した成虫を駆除しても、全身の組織を移行中の幼虫の駆除は中々困難で、これらの幼虫が小腸に着いて又成虫になっていく事があるので、定期的に糞便検査を繰り返し行って、虫卵が陽性になったら駆虫薬を投与すると言う事になるのですね。
それが何回も出てくる理由だと思います。又新たに出てきているということで、駆虫はその時には出来ているという事です。
予防法は環境浄化と運搬宿主の除去。
回虫卵は消毒薬や苛酷な環境にも抵抗性を持っているので繁殖前の母猫の治療と糞の除去が最良の方法だと思います。

犬小回虫は複雑な体内移行や発育様式をとらないので一回の駆虫で駆除できます(犬小回虫は肝臓あるいは肺を遊走しないということで、感染型虫卵を摂取すると、幼虫は腸壁にもぐりこみそこで発育期を過ごし、腸壁に戻って成虫にります。この寄生虫の伝播に運搬宿主が重要な役割を果たしていますが、経胎盤及び経乳腺感染は起こらないで、猫回虫と違って犬小回虫の虫卵は一週間で感染型になります)。

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