獣医師広報板ニュース

ネコ掲示板過去発言No.1200-200702-27

Re:猫エイズについて
投稿日 2007年1月17日(水)17時12分 投稿者 プロキオン

なぜ感染しないのかと尋ねられると確かに困りますよね。

エイズのウイルスはリンパ球の中のCD4とCD8という種類の細胞が標的となりますが、猫のエイズウイルスについては、同じレンチウイルスでもあり、標的となる細胞もCD4であり、重なる点があります。
このため、猫のエイズ(FIV)が潜在的な危険性を有しているのではないかという理由から、研究している大学のチームも海外にはあります。ただ、一般的には、人間のリンパ球でFIVが増殖できなかったことから、人間への感染はなさそうだということが通説となっています。
また、ライオン・チーター・ピューマ等の野生の猫科動物からも近縁のウイルスがみつかっているらしいのですが、これらの動物では発病に至らずに、種としても抵抗性があるのではないかと解釈されています。
私達が日常で診療する中でも、FIVについては、感染すれば、生涯にわたってウイルスを保有することになるとしても、必ずしも致命的な病気ではないのではないかという見方が出てきています。
すなわち、近縁で類似のウイルスであっても、同一ではない。両者には差というか違いがあるということになります。

FIVが人間に感染しないということは、人間への接種試験を実施しないと証明できません。これは実施された経緯はありません。このウイルスが人間に感染して分離されたという事例がないことをもって信じていただくしかないように思います。
「ない」ことを証明することは、かように困難なことです。しかし、「ある」ことを証明するには、「感染したことを示す事例」をあげていただければ、それで済みます。
証明する必要があるとすれば、お友達の方でしょう。
ただし、感染例がないというのは、今現在までの話です。未来永劫にまでないということも保証できないことです。

おそらく、「感染してもよさそうなものだけど、なぜ感染しないの?」というくらいの話ではないのですか?

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