獣医師広報板ニュース

ネコ掲示板過去発言No.1200-200804-27

Re:Re:Re:吸収糸について
投稿日 2008年3月15日(土)16時08分 投稿者 プロキオン

>人間で考えたら、糸をつけたまま。。というのは、苦痛に思えますが猫にとって
問題無いことなのですね。

猫本人にとっては縫合糸の存在は気になっていますよ。汚れや異物というような認識ですので、これを綺麗に舐め取ってしまいたいということですね。だから、そのまま皮膚に残っているということにはなりにくいとなります。
ただ、術部の組織反応では吸収糸よりもナイロン糸の方が少なくてすみますし、皮膚の確実な癒合という観点からはナイロン糸の方が安全です。私の近くの先生の中には、抜糸をしないという先生もいらっしゃいます。「10日たっても糸がそのまま残っているようなら抜糸に連れてきてください」という方針だそうです。おそらく、その先生の病院では神経質な猫が多くて、ナイロン糸と言えども10日もたない症例が何例かあったのでしょうね。
頻繁に飼い主さんがチェックできる飼い猫であれば、まあ、吸収糸もありですが、野良猫が相手なら安全確実な方がよろしいでしょう。下記にある我が家の猫も、どのていど吸収糸が持つかなという興味も若干ありまして、用いてみました。結果として、3本くらいの糸が1週間もちませんでした。皮膚癒合そのものは、進んでいましたので傷口がひらくということはありませんでした。
# 吸収糸の種類は先の投稿で傷口が開いてしまった製品とは異なります。あのときの糸は、その後使ったことはありません。

あと、我が家の尿石症の猫ですが、さきほど麻酔をかけて尿道の閉塞を解除しました。朝から見ていて、排尿が確認できないまま膀胱内の尿量が増えてきていましたので。
雄猫の尿道においては、陰茎が先にいくにしたがって急に細くなっているために その細くなっている部位において結晶が詰って尿道の閉鎖をきたしてしまいます。そのため、急に細くなる前の位置、尿道が広い位置を置くから引っ張り出してきて、会陰部において外界にむかって開放してあげる手術です。膀胱内の尿を結晶によって詰ることなく外へだしてやろうという手術ですね。これが「会陰尿道婁」の手術です。この手術を実施しますと、雄猫であっても会陰部の外観は雌猫のようになります。
顔や体格が雄猫でも、後ろに回ってみると雌猫のように見えるので、「オカマ手術」と揶揄されたりします。もっとも、この手術、療法食が普及するのにつれて登場する機会は減っていく傾向にあります。我が家でも本来であれば、とっくにコントロールできていないとならないのですが、なにぶん猫が多いため、本人が療法食以外に他の猫が食べている餌に興味をもってそちらも横取りして食べているものですから、なかなか効果が出てくれません。あと、やはり他の猫に比べて飲水量も少ないようです。
どうも飼育管理技術にも問題があるようで、あまり自慢にできる話でもないですね。

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