獣医師広報板ニュース

ネコ掲示板過去発言No.1200-201008-9

Re7:野良猫の怪我とエイズ
投稿日 2010年1月14日(木)10時46分 投稿者 プロキオン

このレスというのは、りえさん宛てというのではなく、広く大勢の方にも言えるのですが。

診察という行為は、文献・資料の収拾に似ているところがあります。1つのある文献を読むとその末尾に10や20の参考文献が記載されています。その参考文献の中の1つを読むとさらに同じくらいの数の新たな参考文献が記載されています。その孫引きの参考文献を読むとさらに同じ事が繰り返されます。
論文を読むという行為は、それを延々と繰り返していく事であり、際限のない行為のように見えると思います。
けれども、子引き・孫引き・ひ孫引きと文献の収拾を繰り返していくと、それらの参考文献のタイトルが重なるようになってきます。無限に続くかのように思えた文献の収拾がある一定の量に収まるようになってくるのです。

診察や検査もこれを進めていくと、さまざまな疾病や検査項目が登場してきて、それらをいちいち念頭におかなくてはならなくなります。診察や検査を進めていくことによって、かえって迷路に入ったかの感が出てくるものなのですが、それでも、頑張っているとやがてある一定の方向にさだまってくるということになります。
りん告の中の経過や今確認されている症状、各検査の数値や治療への反応等、さまざまなものが一定の方向にむかうようになります。
いろいろな事が浮かんでは否定されての繰り返しで、進められていって、ようやく方向性が出てくるのです。場合によっては、最後までわからないままという事もあります。

診察とはそういう手間のかかるものであって、その過程を説明してくださる先生もいれば、はっきりとした事が分かるまでは混乱させるだけという先生もいます。中には、結論だけでよいという先生もいるでしょうし、説明がまるっきり苦手という先生もいると思います。これは飼い主さんにも同じ事が言えます。説明にまったく興味がなく、結論だけ言ってくれという方もおりますし、とにかく治してくれれば良いという方もいらっしゃいます。
人は10人10色で、獣医師と飼い主さんの双方にそれは当てはまります。同じコミュニケーションが通じないという組み合わせは、しばしば遭遇します。それでも、そこで終わりにしてしまうと肝心の患者である犬や猫の病気について、分からない事や不満な事が残ってしまいます。
途中経過でかえって迷ったり、疑問が出てしまっても、それならそれでなおのこと当事者間で話しをする必要があるように思います。この当事者間というのが大切であって、第三者が入ることで話が混乱するということが多いです。
話のポイントや論点が明確でないでないままの第三者への相談というのは、私は賛成できかねます。結局、どちらも何が伝わっていて何が分からないのかが把握できないままということになりますから、また始めからやりなおしです。
転院なさるのであれば、現時点で分かっている事と、分かっていない事、そして自分は何を知りたいのか、何を疑問と感じているのかが明確でないとならないでしょう。それらに対して主治医の先生がどの程度応じてくれているのかが判断基準であるように考えます。

いささか、逆説的になりますが、当初のりえさんの「猫をどうしたらよいのか?」という書き込みに対しては、私はいっさい言及していません。
これは、医学的な意味であれば診察していない患者の転機となりますから答えようがありません。猫の処遇ということであれば、飼い主さんが決断するしかないからです。
私にできること許される事というのであれば、お話をお聞きすることくらいでしょう。こうしたらああしたらということもありません。話しを聞くことによって気持ちに整理がついたらというようなことですね。

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