獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-200611-29

学校で生き物を飼うこと
投稿日 2006年11月8日(水)20時41分 投稿者 チーママ

まず第一に、先生方が責任をもてなくてはダメです。
健康な時の飼育は生徒がやってOKです。
でも動物は必ず病気になると言う事を前提に、考えなくてはいけません。
1)その動物をみてくれる病院があるのか
2)病気になったら連れて行けるのか
3)診察費用はどうするのか
4)休みの間はどうやって世話をするのか
その点を「その時はなんとかする」では、飼うべきではありません。
もし誰かがそう言ったら
「じゃあ、タカちゃんの時はどうだった?
 病気で苦しそうだったよ。
 いなくなっても皆探そうとしてくれた?
 前のウサギ(確かいましたね?)も、病気になっても病院へいけずに
 死んでしまったよ?
 あなたが病気になってもお医者さんにも診てもらえずに死んでいくと
 したら、どんな気持ち?」と言ってあげてください。
先生が「病院に連れて行く」とおっしゃって下さっても、結局は
行かずじまいだったでしょう?と。
まずはそれを議題にしてください。
大人はこれを「危機管理」と言います。
いざと言う時にどうするのか。これが一番大事です。
環境は工夫次第でどうにかなります。

もし先生がきちんと考えてくださるなら、以前いらした中川先生が
相談にのってくださるでしょう。
そして、子供達がどういう活動をすれば良いかもアドバイスして
くれますよ。
他の学校ではどうやって飼っているのかを教えてくださいますし、
近くにウサギを診れる獣医さんがいらっしゃるなら紹介もしてくれ
るでしょう。

*ミドリさん。出来たら先生へ下記の伝言をお願いします。

先生方へ
今回ミドリさんが、どれほど一生懸命になってタカちゃんを
見守ってきたかを知る者からのお願いです。

動物がいなくなったからといって「じゃあ新しいのを飼おう」は
決して情操教育にも命の学習にもなりません。
子供は残酷で、あきやすく、影響されやすい心を持っていることは
ご存知の通りです。子供の「今度こそちゃんとやる」は、大人の
適切な指導と援助なしにはアテにならないこともご存知と思います。
また純真で無垢で、素直に一生懸命になる心を持っているのも子供
ですが、それを伸ばすのには大人の支えが必要です。
「適当にかかわって、ダメだったら次を飼う」というのは、子供の
心をゆがめます。
可愛いから飼った。実際世話したら面倒だった。
病気になっても病院代は払いたくない。だから捨ててしまう。
保健所に持っていってしまう(殺されるとわかっているのに)。
こうした動物の何と多い事か。
自分が出来る範囲でよいのです。手を尽くして命を守り、そして
その死に接して初めて、命の尊さを実感するのです。
「手を尽くして」という事がどういう事かは、まだ子供達には分
かりません。ですから大人である先生方が、その点は責任を持って
くださいますように。
ウサギでもニワトリでも亀でも魚でも、良い教育に役立てている
学校には、必ず熱心な先生がいらっしゃいます。
教師は忙しいお仕事です。カリキュラムに追われるお仕事の上に
更なる無理をして動物を飼わなくとも、命の教育は出来るはずです。
下手に手を出しては、かえって子供の為なりません。
もしも子供達の熱意に感じて再度ウサギを飼われるなら、ウサギの
飼い方や病気を知り、診てくださる獣医さんを探してからにしてく
ださるよう、お願いいたします。

うさぎは頭の良い動物です。
彼らは、子供達の心の傷や隙間を癒してくれるでしょう。
優しさと暖かさと我慢強さを教えてくれるでしょう。
動物にはそうした力があります。
ですから、できれば先生方が協力して、学校に動物を迎えて
下さる事を切望します。

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