獣医師広報板ニュース

鳥類掲示板過去発言No.1700-200309-78

シロフクロウ
投稿日 2003年9月29日(月)17時58分 はたの

獣医師ではありませんがご参考まで。

 基本的には大丈夫のはずです。

 仮に獣医学的に何かをするとなると、麻酔を伴うようなそれなりに大掛かりなことになります。素嚢ならまだしも、フクロウには素嚢はなく直接胃にいっているわけですし。
 まどかさんはこちらにご相談をなさっておられるわけで、ということは、失礼ながら経験豊富なかたとは思われず、気軽に相談できる間柄の猛禽に強い獣医師を近所にご存じでないのだろうと拝察します。と、処置に伴うリスクはなおのこと大きくなってしまいます。
 対して、吐き出せなくて死亡するリスクは、ゼロではないでしょうが、小さいと考えられます。手羽先なら骨は長さ7 8センチていど。レミングを丸呑みできる喉を持っているシロフクロウなら、まずひっかかったりしないでしょう。
 また、端が消化管を傷つける心配もほとんどありません。割れた骨でなければ端はなめらかです。(仮に割れていても、イヌなどと違って滅多にトラブルになりません)
 自分で吐けると思いますよ。

 ただ、今後はお考えあれ。吐く時はともかく、飲みこむ時に餌が詰まって死亡することはあります。「いつもは足で押えるから」に頼らず、フクロウが突飛なことをしても平気なようにヒトの側で配慮してあげてください。
 そもそも、(マウス併用ということなのでまだしもですが)、手羽先はシロフクロウの普段のメニューとしては向いていません。ほぼ100パーセント、小形哺乳類食なのですから。
 餌代を押えるためにマウスやラット以外を与えるとしても、手羽先よりはニワトリ初生雛や親ウズラのほうがベターです。
 また、特定の目的のてためにわざと空腹にしているのでない限り、すこしがっつきすぎの感じもあります。猛禽類は季節によって餌の必要量が大きく変動します。秋口は食欲が増すのです。「ふだんの量」では足りていない可能性もあります。週に1日ぐらいは「余すまで」与えるなどの工夫により、必要量の変化を探られることをお勧めします。

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