獣医師広報板ニュース

何でも動物掲示板過去発言No.3900-200512-29

続、山羊の診療
投稿日 2005年11月27日(日)13時04分 投稿者 プロキオン

山羊の相談をされたのは神奈川県の先生ということかな? 首都圏ではありますが、神
奈川にも公共牧場はありますし、家畜共済もありますので、牛や山羊での獣医療環境に
差異はないと思います。
私が前回触れた先生というのは、2名が家畜共済の途中退職者でして、年齢はまだ若い
部類の方です。一応病院にはレントゲンもあるはずです。もう1名は酪農組合の退職者
です。
お話の様子がこの先生達とは、イメージ的にどうも重ならないようですね!

まあ、経過をお聞きすれば、たしかに苦笑というのも納得です。

>【質問】
山羊の胃炎などの発見は、往診(レントゲンなどの機材なし)で、可能なようですか?

昔から、大動物にはレントゲンを摘要しないのが普通でしたから、「胃炎」であれば
必要ないのではないでしょうか。

>【背景】
濃厚飼料をもらったことによって胃が荒れている(胃炎など)である可能性のほうが、高い、と私自身は考えています。

濃厚飼料の多給は確かにルーメンの絨毛を萎縮させてしまう傾向が知られていますが、こ
れは1週間程度の期間でおきることでもありません。
また、同時に粗飼料の不足欠乏ということも見逃せません。線維による物理的な刺激が継
続されていれば、なおのこと発生しにくくなります。
こちらが原因ということであれば、それなりの飼育か飼育環境がある程度の期間継続され
ていたということになるのではないでしょうか。


>異物(とくにビニール)の誤飲だろうという説は、知人のご年配の方が、山羊を飼っ
 た経験が豊富で、おっしゃってくださっています。

こちらについては、牛でも山羊でも可能性としては起こりえることのように考えられま
す。年配の飼育経験者であれば、このような心配をされるというのも自然なことと私は
思いますし、実際に経験されている方も少なからずおられるのではないでしょうか。

牛であれば、起立させておいての局部麻酔でのオペになりますから、牛の取り扱いに慣
れている先生が望ましいになります。
牛や山羊には「食道溝反射」というのがありまして、このために内視鏡の操作は単胃動
物における操作とは異なって容易でないものがあります。犬に内視鏡を用いるのに際し
ても全身麻酔が必要とされますが、麻酔なしで立位で山羊に内視鏡を摘要できる先生と
いうのに、まったく心当たりがありません。
# 大学病院の先生でも、そのような練習はしていないと思うのです。

反芻動物というのは、反芻動物に限らず草食動物(例えばウサギ)は、常に消化管が活
動していないとならない生き物です。
食滞というのは、かなりよくない状態なのです。牛の臨床医であれば、何はなくともま
ず心臓と消化管に聴診器を当てるというのは、挨拶のようなものです。消化管が動いて
いるか、とまってしまっているかなら、レントゲンを持ち出す必要はないはずです。
牛であれば、直腸検査も併用できますから、なおのことです。

問題は、これら以外の原因であったときですね。一番最初の時点に立ち返って、各種の
基本的な検査を実施するのであれば、そのまま大学病院にお願いしたらと考えます。
ただ、牧野にどのような有害な植物があってということは、地域に住む者の方が承知し
ていると思います。
(この点が、今で診察していただいた先生方では、埒があかなかったということなので
 すよね)
私が見たり聞いたりの範囲でも、オトギリソウ、夾竹桃、モロヘイヤ、コルヒチカム等
があります。
有害なものを食してしまっていたのであれば、内科的な治療を施して経時的な処置をと
いうことになるのではないでしょうか?

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