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Re2:絶滅種の再発見
投稿日 2011年1月6日(木)10時55分 投稿者 プロキオン

クニマスのことを調べてみると、とても運命的な魚だと思いました。

この魚の発見は、大正14年に学会に初めて報告され、カーネギー博物館の報告書に登場し、発見者である京都大学の川村教授の名前が学名につけられています。
そして、発見からわずか15年後に国策によって、絶滅へと追い込まれてしまったのです、記録の上では、わずか15年しか存在することができなかった魚です。きわめて象徴的な魚と言えるのではないでしょうか。

この国策というのは、日米の開戦を見込んで発電量を確保するために、クニマスの唯一の生息地である田沢湖に湖の東側を流れていた玉川の水を引き込んだことです。この玉川の水が強酸性であって、田沢湖から、生息する様々な生命を駆逐してしまったわけです。

田沢湖は、かつては世界一の透明度を誇る湖であって、「辰子伝説」が伝わっています。クニマスの由来も、辰子にまで遡り、辰子の行方を捜す母が湖に投げた松明の燃えさしが、魚になったと伝えられているそうです。
松明の木っ端が魚になったので、「木の尻マス」、「キノシリマス」という呼び名になったとのことです。ただ、このマスが他所には決していない、田沢湖だけの魚種ということで「国マス」というように名称が変更されたのだそうです。

この「キノシリマス」という呼び名にちなんで、漫画家の矢口高雄さんが「釣りキチ三平」の中で「地底湖のキノシリマス」という作品をおよそ10年ほど前に発表されています。ストーリーは、クニマスの絶滅を危惧した三平の祖父が、卵を地底湖に移していて、クニマスがそこで絶滅を免れていたという内容です。田沢湖漁協の記録によると、西湖以外の富士五湖や琵琶湖にも卵の移送が行われていたようです。

記録上は、わずか15年しか存在していなかったクニマスが、70年の時を経て再発見されたことになり、本当に奇跡のような話だと思います。
と、同時にクニマスを一旦は絶滅に追い込んだ国策は、今現在も続いているわけであって、強酸性の水をもった河川は関東にもありますし、その水を貯留するためのダムも造られようとしています。

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