獣医師広報板ニュース

動物の愛護掲示板過去発言No.6000-200008-23

雄は生ゴミ!!
投稿日 2000年7月18日(火)07時33分 ロッシー

雄は生ゴミ!!

ちょっと、衝撃的な話ですが、実話です。

今月初めに、うちでもヒヨコが孵りました。

そこで思い出したのですが。

昨年名古屋の孵化場までヒヨコを受け取りに行ったときの事です。

場内にポリのタライが置いてあり初生雛が沢山入っているのです。

鶏は寒さには思いの外強く、雪の積もる地方でも冬季暖房無しで飼育できます。

しかしこれは成鶏の事です。

これに反しヒヨコですが、自然孵化の場合は母鶏の羽毛布団と体温に包まれています。

ですから人工飼育の場合は、あの有名なヒヨコ電球を点灯して暖めるのです。

少なくとも40℃は必要でしょう。

タライに入れられたヒヨコはお互いの体温で暖めあうでしょう。

しかし、

一晩越すことすら大変で、無論生きて行くことは不可能です。

孵化場のおやじに聞くと、

オス雛は生ゴミで出します。

と、言う返事です。

よく見るとタライの横に、ふた付きポリバケツとゴミ袋が置いてあります。

その真前には孵卵機とメス雛用の飼育機が並んでいます。

温度管理、湿度管理に気を使っておられます。

これが、現実なんです。

どうして、そういうことをするかというと、

以前はオスも結構需要が有って、皆さんご存じ「縁日の花形」に成った訳であります。

運のいいヒヨコは釣られた後わんぱく少年の友となり、

ミカン箱で飼ってもらえます。

餌は給食の残りで十分です。

でも、ある日悲劇がやって来ます。

「コケコッコー」と一鳴きすればそれでおしまいです。

今まで我慢していたお父さんが

近所の神社の境内に、

あるいは橋の下に捨てに行きます。

でも、これは相当運のいい人生(鶏生)の場合です。

たいがいは、釣られて数日、いや数時間の命です。

でも、この「命」は無駄になったのでしょうか?

否、私はそうは思いません。

子供は残酷とよく言われます。

しかし、生き物の「生」の本質はその「死」を持って分かるということも

言えるのではないかと思うのです。

縁日でただ面白いだけで釣り上げたヒヨコが死んだ。

特別な世話をせずに死んだ。

電気も点けずに死なせてしまった。

とっても情けない思いがします。 悲しいです。

ただ、しまったと思うかもしれません。

でも、こんな経験を積んで子供は「生」を大切に出来る大人に成って行ったように私は思います。

孵化場の主人いわく。

「最近動物愛護団体がうるさくてネ。」

「縁日でヒヨコ釣りやったら抗議が大変」

「生ゴミで出すのは忍びないけど、これが一番安い処理なんだ」

「生きてるうちはどこへも出せないからネ」

生ゴミとして処理される「命」これが動物愛護団体の希望なんでしょうかね。

(この件に関して私宛にどのようなメールも受付ます。ただし何処の孵化場かはお教えできません。悪しからず。)





http://www2.mahoroba.ne.jp/~roba/namagomi/

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