獣医師広報板ニュース

動物の愛護掲示板過去発言No.6000-200812-11

Re:愛護団体
投稿日 2008年4月3日(木)16時54分 投稿者 プロキオン

>私的にはやっぱり動物を使わない世の中になったらと心底思います。

その気持ちは大事だと思いますよ。分かって欲しいのは実験動物の世話している人たちも同じ気持ちでいるということですね。

>ビーグル犬の胃袋にファンデの成分?を詰め込むとか(これ本当ですか?) ウサギの目を使うとか。

このあたりになると、疑問を感じます。だって、犬にファンデーションを舐めさせたとしてどのような意味があるのでしょうか? ファンデーションは皮膚につけるものです。もともと食べたり舐めたりするものではありませんから。口紅なら舐めることはあっても、ファンデーションの方は胃袋に詰め込むほどの量を人間が舐めてしまうこともないでしょう。皮膚に塗布してみて炎症やかぶれが発現するかと言う事を確認する方が大切でしょう。それにこのような製品の成分の検査というのは、過去のデーターがありますから、今頃、このような事をあえてする必要性はないと思います。
ウサギの眼というのも、眼に入って炎症を引き起こしてしまうかもということを想定したわけですが、これもパネルで見るような段階まで継続しなければならない理由はないですね。ウサギは人間と比べてあまり瞬きをしない動物です。これは、涙の成分の中でもムコイドや油脂の成分が多いからです。つまり人間の眼のモデルとしては、本来は適している動物ではありません。「水」成分の多い涙の人間では すぐに洗い流される化粧品の成分もウサギでは「油脂」成分に溶けたり、角膜表面に残りやすくなってしまうと考えられます。化粧品が眼に入ってしまった場合の「ひどい事例」を示すためには適当な動物ということになるのでしょう。炭鉱とかオウム真理教の施設に立ち入りをする際にカナリアが先頭に立たされるのと同じ意味をもちます。
このような点が「大きすぎる警鐘」とされる所以なのでしょうね。

ハムスターなんかでも眼に砂が付着していても平気でいたりします。犬でも逆さ睫が角膜に触れていても人間ほど痛がることもありません。こういうのを見ていると人間の眼の代用になる動物なんているのかなと思います。まあ、それでもやらなくてはならない場合というのもあるのでしょうけれども。

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