獣医師広報板ニュース

動物看護師掲示板過去発言No.7000-200202-20

みなさん、ありがとうございます
投稿日 2002年2月12日(火)00時01分 シッポナ

野良猫、捨て猫問題のきっかけを作ってしまったシッポナです。
元はと言えば、私の病院に運び込まれた事故にあった猫の安楽死を、私が決定できず思い悩んで、みなさんに甘えてしまい助けを求めてしまったのが原因でした。
自分で決めなければいけない問題でしたが、同じ経験をなさっている方で、何か「ビックリするような解決策」(さくら先生も言ってましたね)があれば・・・と、相談させていただきました。
でも、みなさん同じ悩みを抱えながら頑張っているんだと言うことをものすごく感じ、そして励まされ、「私は何を悩んでいたんだろう?」と我に返り、猫さんのオペをしました。みなさんに相談していなかったら安楽死をしていたかも知れないと思うと、自分が怖いです。

さくら先生、先生が責任を感じないでください。原因を作ってしまったのは私です。でも、みなさんと意見を交換することができて良かったと思っていますし、いろいろなお考えがあることが分かりました。私の病院は、桜先生の病院と違って捨て猫も1年に1頭ある程度ですし、悩みの大きさがが違いすぎます。
これからの季節、毎朝病院の周りをキョロキョロ確認するのが怖いですが、今年こそは!!猫さんが置いてないように!!遠くから祈っております。遠く・・・と言っても、私も関東なので、もしかしたらお近くかも知れませんね。
プロキオン先生にもご迷惑をお掛けしました。私自身ムキになる性格で、とことん分かり合えれば・・・と思い、患者さんとも話し込んでしまうタイプなので、何度も書き込ませていただきました。そして何度もお返事をいただきありがとうございました。獣医師としてのお考えを聞かせていただいたことは、とても貴重でした。
そして、みけさん、青衣の天使さん、いつもいつも暖かい励ましをありがとうございます。おなじ看護士としての立場からのご意見、とても嬉しく感じております。答えのでない問題ですが、1つでも多くの命を救ってあげることができたら・・・と思わずにはいられません。これからも悩みながら仕事を続けていくと思いますが、また悩みを聞いていただけたら嬉しく思います。

青衣の天使さんがおっしゃっていたように、ウチの病院は最低かも知れません。看護士自身が尊敬できない獣医師と仕事をしているのは、きっと患者さんにも伝わってしまいますよね。数年前から近所に動物病院が何軒か建ち、そのせいもあるのかもしれませんが患者さんは減りました。ウチの病院での治療に納得がいかない、満足できない、ウチよりも他の先生の方が腕が良い、もちろんそんな理由もあると思います。
私の子供達(猫達)は、ず〜っと病気知らずで過ごしてきました。しかし去年は、病気やケガが相次ぎました。そしてウチの獣医師によるオペのやり直しをせざるおえない状況になり・・・私は「ウチの先生には触っても欲しくない」と思い、今の主治医の先生にお願いしました。お陰でウチの子達はみんな元気に過ごしています。ハッキリ言って、私が見たこと無い症例はウチの獣医師も見たこともなく聞いたこともなく・・・です。
ウチの子のオペも、私が麻酔を見ながら「本当にこれで大丈夫なの?もう完璧なの?」と聞いたとき、「大丈夫だよ」と言ってました。獣医師の言葉を疑わずそれを信じてしまった私が悪いんですが、大学を出て臨床を何年もやっている獣医師の「大丈夫」という言葉は正しいと思ってしまったんです。しかし大きな間違いでした。みなさんには、こんな経験はないと思いますが、私はいつもオペをしながら「本当にこれでいいんだろうか?」と疑問に思って確認してしまうんです。獣医師にしてみれば、プライドを傷つけられ頭に来るんでしょうが、「いい加減」じゃ困るんです。
私も、こんな院長と獣医師の下で働いているのはもう嫌だ!と思い、何度も辞めたい!辞めよう!と思っていました。誰に相談しても「辞めちゃいなよ」という答え、当たり前ですよね。患者さんが誰も来なくなって、いっそのこと潰れてしまえば私も気が楽なんですが、こんな病院でも来てくれる患者さんがいます。病院を変える患者さんもいっぱいいると思いますが、私や先生を頼ってくれる患者さんもいます。辞めたい!と思っていた時期は脱しました。今は「私にできる事って何だろう?」と考えると、病院の子達、患者さんの子達にベストな治療、環境、生活、を届けてあげることだと思っています。
もちろん私1人の力では無理なので、獣医師をバシバシ教育して、私や飼い主さんにとって納得のいかない治療をさせないように、もし手に負えない症例が来てしまったら、ウチの病院での限界を正直にお話しして、大きな病院(私の主治医の先生の病院ですが)への紹介をしたり、飼い主さんが連れて行かれない場合は私がお預かりしてお願いしています。「他の病院で治療を受けていたら助かったのに・・・」なんて事には絶対にならないように!!常にベストな状態を作れるように!!でもそれは、獣医師ではなく私が働きかけて成し得ていることで、もし私が辞めてしまったら誰も引き継いではくれないでしょう。

私達スタッフにいろいろ聞きたいことがあるけれど、みなさん忙しそうだし、次の患者さんは待っているし・・・と、「疑問」を抱えたままの飼い主さんは多いです。悩みと言っても、私達「プロ」にとって、そんなこと悩まなくても・・・と言うような事が多かったりします。健康で元気いっぱいの子供達の、市販フードの選び方、トイレの砂、シーツの種類、場所、寝床、家庭問題、人間&猫関係・・・そんな相談に乗れるのも、私しかいないと思えばいっぱいお話を聞いてあげられるし、答えが出なくても聞いてもらえたことで満足してくれる飼い主さんはたくさんいます。
病院での仕事も、病院を出てからも、家に帰ってからも、患者さんのことを考えてあげられるのは私しかいないと思っています。そんな私を頼ってくれている飼い主さんを見捨てることは私にはできません。尊敬できる獣医師でなくても、人に勧められる病院でなくても、私が頑張って、その子にとって飼い主さんにとって何がベストなのか?を考えてあげられれば、飼い主さんも納得してくれるし、私にも自信が湧いてきます。そんな私の考えをウチの獣医師に納得させるために、今日も大声でケンカをして、やっと分かってもらいました。そして飼い主さんとその子に、ちゃんとした治療を受けてもらえるようになりました。
そんな日々の努力で、意識を変えさせていくことができれば、私のイライラも減るのですが・・・。

前回の書き込みで、グチグチと愚痴ってしまったことで、青衣の天使さんに不愉快な思いをさせてしまいました。ごめんなさい。「何でこんな劣悪な環境で働いているんだろう・・・」と今でも思ってはいますが、「私だからできること」「私にしかできないこと」がここにはあります。全国的に見れば小さい病院の数千人の患者さんですが、その患者さんが可愛がっているその子その子、1頭1頭はかけがえのない命で、絶対に代わりはないんです。患者さんの子達の命、病院の子達の命、私の子供達の命、私が守っていかなければ誰が守ってあげられるの?と、少々自信過剰ですが、そう思いながら仕事を続けています。
私も仕事帰りの自分の時間を、患者さんのお家に行き、猫さんの様子を拝見させてもらったり、皮下点滴をしてあげたり、そんないろいろで潰してしまっていますが、私にとって飼い主さんの笑顔、子供達の笑顔が糧になり、そして自分に自信がもてるようになれれば・・・誇りに思うことができたら・・・この掲示板で愚痴ることもなくなるかも知れません。
野良猫さんの安楽死を相談させて頂いた時よりも、自分の仕事や立場を確認できて自信が湧いてきました。これも皆さんのお陰です。ありがとうございました。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。