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クラッシュ      


2004年 アメリカ 犯罪   

<監督>ポール・ハギス
<キャスト>サンドラ・ブロック , ドン・チードル , マット・ディロン , ジェニファー・エスポジート , ウィリアム・フィクトナー , ブレンダン・フレイザー , タンディ・ニュートン , ライアン・フィリップ , ラレンズ・テイト , テレンス・ハワード , マイケル・ペーニャ

<ストーリー>
クリスマス間近のロサンジェルス。黒人のグラハム刑事(ドン・チードル)と同僚で恋人のスペイン系リア(ジェニファー・エスポジート)は交通事故に巻き込まれ、ペルシャ人の雑貨店経営者ファハド(ショーン・トーブ)は、銃砲店で、不愉快な目に合い、黒人青年アンソニー(クリス・“リュダクリス”・ブリッジス)とピーター(ラレンズ・テイト)は、白人の地方検事(ブレンダン・フレイザー)の車を盗み、白人警官ライアン(マット・ディロン)と同僚のハンセン(ライアン・フィリップ)は、黒人であるというだけで、裕福な夫婦キャメロン(テレンス・ハワード)とクリスティン(タンディ・ニュートン)の身体検査をする・・・。

<感想>
見始めて5分で、重苦しい気分になってしまいました。映画からあふれ出てくるような、憎しみや差別や怒りの感情。いったい何処からこの負の感情は、沸いてくるのでしょう。
ひたすら硬い鎧を心にまとって、自分を守る代わりに、他人を傷つけ続ける人々。
前半は、そんな胸が苦しくなるようなシーンが、続いて、息苦しくて、たまりませんでした。このまま、この映画は、続くのか・・・?
と思っていると、彼らに、再び、人を信じることのすばらしさを知る機会がもたらされます。
そして、信じていると思っていても、実は、心の奥底ではそうではなかった人のことも・・・。

合い鍵屋の娘のシーンには、泣かされました。そして、マット・ディロンがタンディ・ニュートンを助け出すシーンにも・・・(T_T)。この画像(→)は、そういうシーンだったのですね〜。

とてもよく計算された映画で、見事としか言いようがありません。細部まで注意深く見たい映画です。
そしてまた、とても考えさせられる映画でもありました。アメリカが舞台の映画で、病んだ国アメリカが、リアルに描かれていますが、それは、アメリカだけの話ではなく、ちょっとづつ歯車が狂いかけている日本を含む、全ての国の人が、もう一度、自分自身に問いかけて欲しい映画でもあります。
また、映画好きの一人としては、群像劇の醍醐味が味わえる映画で、満足感が高かったです。(2007,02,22)



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