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悲しみが乾くまで      


2008年 アメリカ・イギリス   

<監督>スサンネ・ビア
<キャスト>ハル・ベリー , ベニチオ・デル・トロ , デヴィッド・ドゥカヴニー , アリソン・ローマン

<ストーリー>
オードリー(ハル・ベリー)は、夫(デヴィッド・ドゥカヴニー)と二人の子供に囲まれ、幸せな生活を送っていたが、突然夫が殺され、悲しみのどん底に落ちる。葬儀の日、オードリーは、夫の親友のジェリー(ベニチオ・デル・トロ)に、夫の死を連絡する。ジェリーは、麻薬中毒者だったが、懸命に中毒から脱しようとしていた。そんな彼に、子供たちは、懐き、住むところのない彼に、オードリーは、住む部屋を提供する・・・。

<感想>
主要キャストが、ハル・ベリーとベニチオ・デル・トロなので、濃いものを想像してしまいましたが、思っていたものとは、違った意味で濃い映画でした。

突然愛する夫を失ったオードリー。
そして、夫の親友で、ヘロイン中毒のジェリー。
夫の身の上に起こったことや、妻や親友の関係、それぞれが、少しずつ分かってきます。

でも、ありきたりな結末に、まっすぐ進んで行くわけではありません。

愛する者を失ってしまった妻の喪失感。
この苦しさが、波状的に襲ってくる様子が、リアルです。

そして、夫の生前から、夫の心の一部を占めてしまっていた男への複雑な心境。
その事に対する彼女の決着の取り方・・・。

一方、ヘロイン中毒のベニチオの葛藤も強烈です。
ヘロインからすっぱりと手を引くことは、相当難しいようで、
立ち直ろうとする姿と、それでも負けてしまう心のもろさ両面が、丁寧に描かれています。

母と子供、父と子供のシーンは、優しさと、やすらぎに満ちていて、映像も美しいです。

心が再生してゆく過程が、ゆっくりと、適確に描かれていると同時に、
ちょっとしたサスペンス風にも見ることが出来て、結構面白かったです。(2010,03,07)



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