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終電車      


1980年 フランス ロマンス

<監督>フランソワ・トリュフォー
<キャスト>カトリーヌ・ドヌーヴ , ジェラール・ドパルデュー , リシャール・ボーランジェ

<ストーリー>
ドイツ占領下のパリ。劇場の支配人で演出家のルカ(ハインツ・ベネント)は、ユダヤ人であるが故に、フランスから脱出した。その後、劇場は、ルカの妻で女優のマリオン(カトリーヌ・ドヌーヴ)が取り仕切り、新作「消えた女」の練習に没頭していた。しかし、実際には、マリオンは、夫ルカを地下室にかくまって、ルカは、地下室で練習の模様を密かに聞いていたのだった・・・。

<感想>
恥ずかしながら、この映画は、題名は知っていたけれど、主演が、カトリーヌ・ドヌーブとは知らず、見終わって、初めて知ったというお粗末さです。しかし、彼女の美しさは、画面から溢れるばかりで、夫を守ろうとする凛々しい女性の強さが感じられました。この時のドヌーブは、37歳ぐらいです。
題名のイメージから、電車にまつわるロマンスかなと思っていたのに、これまた、全然違っていて、これは、ドイツ占領下において、屈辱的だったフランス人の生活を表しているのかなと思いました。

内容も、戦時下と言うことで、適度な緊迫感がありました。
ドイツ軍の圧政の元、フランス人としての意識を強く持って生きる人々の様子が描かれています。演劇などは、ドイツ軍の圧力を最も受けたもののひとつだと思いますが、マリオンをはじめとして、それに関わる人々も、自分たちの出来る範囲で、フランスの誇りを守ろうとする姿が力強いです。
ただ、私には、マリオンとベルナールとの関係が唐突に感じられ、意外な展開に、少々驚きました。ベルナールは、色々な顔を持っているようで、そこら辺を読みこなせなかったのかもしれませんが、マリオンとルカ夫婦の関係も、微妙だったんですねぇ。やっぱりフランス映画は、奥が深いわ(^^;。

全体に、割と淡々と、描かれているのですが、ラストが、なかなかしゃれていました。監督の遊び心が、かいま見れるようなラストで、後味が、とても良かったです。(2006,06,25)



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