シネマチェックトップページ50音別indexナ行index 


人間失格 太宰治と3人の女たち      


2019年 日本
ロマンス・文芸    

<監督>蜷川実花
<キャスト>小栗旬, 宮沢りえ, 沢尻エリカ, 二階堂ふみ, 瀬戸康史, 高良健吾, 藤原竜也, 山本浩司, 成田凌

<ストーリー>
作家の太宰治(小栗旬)は、妻子があるにもかかわらず、愛人を作り、自殺未遂までするような生活を送り、文壇からも非難されていたが、彼の作り出す作品は、ヒットし続けるのだった・・・。

<感想>
「人間失格」を書いた太宰治の破天荒な生き様を、彼に関わった3人の女性と共に描いた作品です。

蜷川実花監督作品を見るのは、3度目ですが、この作品が一番好きになりました。

女性に惚れやすいというか、節操がないというか、いわゆる女性(妻)の敵のような太宰ですが、
女性から見ると引きつけられずにはいられない、危険な魅力に満ちた男だったのでしょう。
そして太宰も、女性たちとの関係を糧にして小説を書き、それが、世間に受け入れられるのですから、彼にとっては、複数の女性との関係は必要悪だったのかなと思ったりしました。

蜷川実花監督作なので、華やかな彩りのシーンが魅力的です。
ただ本作は、過剰なばかりの華やかさばかりではなく、落ち着いたシーンとのメリハリが効いていて、とても美しいと感じました。

キャストもいいです。
主演の小栗旬は、太宰を退廃的な魅力で演じていて、惹きつけられました。
そして、太宰を愛する女性を演じた宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみは、それぞれのキャラクターを見事に体現していたと思います。
その他のキャストも豪華でした。

結局、女性を翻弄していたと思われた太宰ですが、実は、女性に翻弄させられていた・・・というラストも小気味いいです。(2020,12,19)



シネマチェックトップへ