シネマチェックトップページ50音別indexハ行index 

武士の一分      


2006年 日本 時代劇   

<監督>山田洋次
<キャスト> 木村拓哉 , 檀れい , 笹野高史 , 桃井かおり , 緒形拳

<ストーリー>
三十石の下級武士である三村新之丞(木村拓哉)の仕事は、殿様(歌澤寅右衛門)の毒味役。大事なお役目ではあるが、新之丞は、その仕事がやりがいのない仕事に思えて、毎日、気が重い。そんなある日、新之丞は、仕事中に、貝の毒にあたって、生死の境をさまよい、幸い命は取りとめたが、失明してしまうのだった・・・。

<感想>
キムタクの時代劇ということで、あまり期待しないで見ましたが、意外とよかったです。
「武士の一分」という題名から、もっと堅苦しい物語かと思っていましたが、冒頭の部分では、この時代の日本の、等身大の若夫婦の姿がかいま見れたような気がしました。武士が、仕事の愚痴を妻に言ったり、自分の夢を語るというのは、時代劇では、あまり見かけないような気がします。そんな二人の会話は、明るく、夢にあふれていて、親近感を感じました。
その反面、三村家の日常は、今とは違って、質素そのもの。一汁一菜の食事。綺麗に拭き清められた家。粗末ながら、乱れのない着物姿。どれもこれも、かつての日本の生活の美しさを感じます。これは、世界に誇れる生活様式ではないでしょうか〜〜(^^)。
そんな彼らの生活が、ある事件によって、奪われ、崩壊してゆくのは、見るに堪えませんでした。あまりにもかわいそうな三村夫妻。涙が何度もこぼれてしまいました。

加世役の檀れいが、噂通り、慎ましやかな武士の妻を好演しています。宝塚出身だそうですが、言われないと分からないほど時代劇にぴったりの女優さんで、素敵、この役にぴったりでした。
そして、日本アカデミー賞助演男優賞を受賞した笹野高史さんも、納得の受賞です。三村家を陰で支えた功労者でしょう。いい味を出していました(^^)。

そして、主演の、木村拓哉。私は、予告編を見ているときから、彼のちょんまげ姿に違和感がありました。顔がかわいすぎるんですよねーーー(^^;。それもあって映画館では見る気がしなかったのですが、私には、この違和感は、最後まで続きました。最初の頃のノー天気な新之丞と、失明してからの新之丞では、彼の演技にも、明確な違いが伺われるのですが、どうも私には、彼のかわいすぎる顔が、災いして、最後までしっくり来ませんでした。物語自体は、分かりやすくて、いい物語だと思ったのですが、主役に違和感を感じてしまったのはとても残念。もし、他の俳優がこの役をしていたら・・・と、思ってしまうのでした。
キムタクは、歌でもダンスでも、芝居でも殺陣でも、無難に全てをこなす人なので、この違和感には、私自身、正直戸惑いましたが、そう感じてしまったのですから、しょうがありません。もうちょっとメイクで、どうにかならなかったのかとさえ、感じてしまいました。(2007,11,23)



シネマチェックトップへ