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プレシャス      


2009年 アメリカ(PRECIOUS: BASED ON THE NOVEL PUSH BY SAPPHIRE)


<監督>リー・ダニエルズ
<キャスト>ガボレイ・シディベ , モニーク , ポーラ・パットン , オプラ・ウィンフリー

<ストーリー>
1987年、アメリカ・ハーレム。16歳のプレシャス(ガボレイ・シディベ)は、妊娠したために、学校を退学になる。それは、彼女にとって二人目の子供で、しかも、子供の父親は、母親(モニーク)の恋人だった。校長にフリースクールのことを教えられ、通い始めたプレシャスは、学ぶことの楽しさを知り、将来に希望を見いだすのだが・・・。

<感想>
プレシャス役で、主演の”ガボちゃん”ことガボレイ・シディベが、アカデミー賞主演女優賞にノミネート。
母親役のモニークが助演女優賞受賞。
その他、マライア・キャリーや、レニー・クラヴィッツが出演していることで、いろいろ話題になりました。

しかも、内容は、アメリカのハーレムに住む、貧困家庭の子供たちの実態を描いていて、衝撃的です。

絶望的な家庭環境の中に暮らすプレシャス。
学校でも、路上でも、そして家の中においてでも、彼女にとって、安穏と出来る場所はありません。

そんな生活の中でも、16歳の彼女には、いろいろな夢がありました。
それは、普通の女の子と同じです。
素敵な彼がいて、スターになって、パーティーに出かけて・・・。

でも、現実にもどった時、そこにあるのは、どうしようもない不幸の連鎖・・・。

彼女の幸運は、フリースクールで、すばらしい教師に出逢ったこと。
誰にも助けることの出来なかった彼女が、ようやくそこで救われます。
生きること、学ぶことの楽しさを、彼女は、初めて知ったのではないでしょうか。

不幸のどん底の中で、その場所に辿り着けた彼女は、ラッキーでしたが、
その幸運に恵まれなかった子供も、大勢いることでしょう。
そんな子供たちは、不幸の連鎖の中にとどまり、そして、不幸を広げていったのでしょうか・・・。

プレシャスの場合、ほの明るい未来がかいま見えているようですが、
それでも、彼女の将来は、問題山積・・・。

これからも、いい人に巡り会い、自分を見失わず、夢を持ち続けて欲しいと、願うばかりです。

主演のガボちゃんは、見た通りの大きな身体(^^;。
それだけでも、私だったら、大きなハンディと思いこんでしまいそうですが、
彼女は、屈託なく、明るい女性。
だからこそ、彼女の思い描く夢のシーンは、とても明るくて、可愛くて・・(^^)。
暗いストーリーの中で、ホッとする箇所でした。

アカデミー助演女優賞を受賞したモニークは、人気のコメディアンヌだそうですが、
今回の役柄は、その片鱗も見せない陰湿な役。
終盤、彼女が涙ながらに語るシーンでは、
彼女もまた、貧困と無知が生んだ被害者でもあることを感じさせられ、やりきれなかったです。 (2010,05,19)






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