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「模倣犯」上下 
宮部みゆき   2001.08.06




公園のゴミ箱から発見された女性の右腕。
それは「人間狩り」という快楽に憑かれた
犯人からの宣戦布告だった。
ある日突然破壊される人生(帯より)


上下巻各700P2段組の宮部みゆきさん、渾身の長編ミステリーです。
私も、渾身で読みました(^^;。

被害者の家族や、「大衆」を、あざ笑うかのように、行われる、殺人と、犯人の挑発。
その事件に関わる人たちを、それぞれ、詳しく、描いています。
ここら辺は、直木賞を受賞した、「理由」と、似ているようです。
「理由」は、朝日新聞に連載されていて、当時から、著者が、大好きだった私は、
勇んで読んでいたけれど、途中で、細切れの新聞連載が、まどろっこしくて、
リタイアしてしまった、苦い記憶があります(^^;。
このような作品の作りは、登場人物を把握するのに、時間がかかるので、
始めのうちは、ちょっとしんどいです。
でも、後半の盛り上がりは、そのリスクを十分に埋めてくれています。
何故、この題名なのか。う〜ん、なーるほど!!(^^)。
事件の大きさに比べて、犯人の計算が、甘すぎるような気もするし、
途中までの警察が、情けないのですが、最後には、溜飲が下がります。

宮部さん、次作は、もうちょっと、短めにお願いします(^^;(^^;。