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「朗読者」 
ベルンハルト・シュリンク 2001.09.01





学校の帰りに気分が悪くなった15歳のミヒャエルは、
母親のような年の女性ハンナに介抱してもらい、それがきっかけで恋に落ちる。
そして彼女の求めに応じて本を朗読して聞かせるようになる。
ところがある日、一言の説明もなしに彼女は突然、失踪してしまう。
彼女が隠していたいまわしい秘密とは何だったのか・・・。(中折りより)


『ドイツ文学では、ギュンター・グラスの「ブリキの太鼓」以来最大の世界的成功をおさめた作品』だそうです。
これは、ドイツの歴史を背負った物語です。
ドイツの重い歴史(日本にも言えることですが)、その時、あなただったら、どうしていたか?
このハンナの裁判官への問いかけに、人は、答えることが、出来るでしょうか?
そして、その答えは、真実を語っているのでしょうか?
戦争という、集団狂気の中での、正しい行動とは、いったい何なのでしょうか・・?
また、彼女のあの最後の決断は、何を表しているのでしょうか?
一生外の世界に出たくなかったのか、それとも、ミヒャエルと再会したときに、
彼の瞳の中に、自分を拒絶する物を感じてしまったのか・・・?
戦争に対する、未だ癒えぬ傷跡をベストセラーにまでしてしまうドイツ人のすごさを感じました。