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「自由戀愛」 
岩井志麻子 2002.05.17


 
生涯にただ一つだけ欲しいと願ったもの。それは友達の夫―。
その刹那、私は全身の輪郭が溶ける感覚を味わった。この男が愛しい。
今までは、ただ明子さんの鼻をあかしてやりたいという、それだけの暗い気持ちでいたのに…。 ((「MARC」データベースより)


また手に取ってしまった岩井志麻子・・・(^^;
でも、今回の作品は、今までの物と一変、大正時代の女性の恋愛物語です。(ホラーではありません(^^))。岩井さんも、ホラー以外の小説も書くのですね(当たり前か、すいません。。。(^^;)。
でも、内容は、きついですね。当時の女性の地位とか、考え方が私の心をチクチク刺しました。
お嬢様育ちの明子さん、女学校を卒業してすぐに結婚。金銭的にも、愛情にも恵まれた彼女の、悪意のない行為。無邪気なだけに、なおさら恐ろしい。こういう人いますね。人の気持ちを考えないで、親切の押し売りみたいな事をする人。
それから、前半はほとんど出てこない優一郎の母親も、恐ろしい。
女性同士でありながら、こんな事をするなんて・・・。女性同士だからこその怖さです。それを容認してしまう時代だったんですね、大正時代って。
それから、それを躊躇なく受け入れてしまう優一郎、そして、その後の行動。あぁ、こんな時代に生まれなくてよかった。