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「劫尽童女」   
恩田陸 02.09.16


この世のものならぬ真実。
我々の持ち得ぬ叡智。−この少女は人間なのか?
コウジンカ。劫尽火。
頭の中に、その音と漢字が浮かんだ。
温和で痩せた祖母の顔が蘇る。
悪いことをすると、地獄で劫火に焼かれるんだよ。
劫尽火ともいうんだけどね。
世界が崩壊する時に、世界を焼き尽くす炎のことをそう呼ぶのさ。(帯より)


出だしは、まだどんな内容か分からないながら、良質のスパイ映画を見るようでワクワクと読み進めました。好きですね〜、こういう話は(^^)。
そして、ラスト近くになって、作者は、この結果を引き出すために、この本を書いたのだという気がしてきました。この悲惨な状況を打開するために作者が生みだしたこの少女。彼女には、天から与えられた仕事がある、こういう少女を私たちは、待っている・・・。そんな気がします。

この作品、恩田さんと言うより、森博嗣さんっぽい気がしました。