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「木曜組曲」   
恩田陸 02.09.28



耽美派女流作家の巨匠、重松時子が薬物死を遂げてから、すでに四年。
彼女と縁の深い女達が、今年もうぐいす館に集まり、時子を偲ぶ宴が催された。
なごやかなはずの五人の会話は、謎のメッセージをきっかけにいつしか告発と告白の嵐に飲み込まれ、
うぐいす館の夜は疑心暗鬼のまま、更けてゆく。
やがて明らかになる、時子の死の真相とは?(帯より)


久々に面白い本を読みました。時子という今は亡き女流作家の縁で、女性達5人が屋敷に集まり、その死の真相を解き明かしてゆくのですが、それが、固定された舞台の上での会話のようなおもしろさを醸し出しています。

なんといっても、この5人が、お酒好きっていうのが、いいですね〜と、個人的には、強く思いました(^^)。それに、出てくる食事も、なかなか私の食指を刺激します。ほうれん草のキッシュ?!(^^)、それに、寝起きの儀式の紅茶!! 本を読みながら、紅茶を入れようかどうしようか、激しく悩みました。でも、結局は、本を読み続けていたかったので、後にしようとあきらめましたけど・・・(^^)。

登場人物は、この五人と、4年前に「自殺」で、亡くなった時子だけ。初めのうちは、うぐいす館に集まった五人の個性がわかりにくかったのですが、読み進むに連れて、それも、はっきりし、なお一層面白くなってゆきます。そして、それぞれに、時子の死の疑惑が・・・。そして、思いもよらぬ結末。そして・・・。あぁ、こういう小説は、大好きですね〜(^^)

ちょうど半分ぐらい読み進めていた時に、この本が、映画化されたことを知りました。舞台が固定された設定なので、映画よりも、舞台の方が、面白かったかもしれないなぁと思いつつ・・・。