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「手紙」    
東野圭吾  03.08.06


    
あなたが彼ならどうしますか?
あなたは彼に何をしてあげられますか?
兄は強盗殺人で服役中。その時、弟は・・・
『白夜行』から三年、東野圭吾の新たな代表作!(帯より)


暗そうで、切なそうで、重そうなストーリーを予感させるような帯の紹介文・・・一瞬「読みたくないかも」と思わせられました・・・(^^;。

兄が、自分のために犯した重い罪。
この罪のために、どこまでも弟を追いつめてしまう家族の繋がり・・・

今回は、考えさせられることが多かったです。
犯罪者の家族への差別の問題もそうですが、一番の衝撃は、被害者に対しての態度についてでした。
悪いことをしたら、謝るのが当たり前。そんなこと、常識だと信じてきましたが、謝ってどうなるのか。それは、すなわち、自己満足に過ぎない・・・というのは、正直ショックでしたね。
謝って済む問題と、済まない問題があるってことは事実ですから、言われてみたら、そうかもしれない。でも・・・。

そして、最終的に直貴が下した結論は・・・。
またまた私には衝撃的です。
これは、深く社会に問いかける作品だと思います。

ラストの1ページに涙があふれます・・・。