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「蛇にピアス」    
金原ひとみ  

第130回芥川賞受賞作
暗い時代を生きぬく若者の、受難と喪失の物語。
第27回すばる文学賞受賞作 (帯より)


遅読の私でも、あっという間に読んでしまいました。
まず、第一に、こんな世界があるんだ〜〜!!という驚き。
何にしても、知らない世界を知るのは、面白いもので、グッと一気読みです。
舌にピアスをして、それを広げてスプリットタンにする痛さ。入れ墨を入れるときの痛さ。SMの性描写。想像する、その痛さ、苦しさにちょっと顔が歪んでしまうにもかかわらず、一気に読ませる筆致の突き抜けた強さに驚きました。。
まるで彼女たちは、心の痛みを身体の痛みに置き換えて、心が傷つかないように防波堤をはっているみたいです。

これが芥川賞に値する作品かどうかは、私には分からないけれど、若干20才でこの賞を受賞するだけの力量は、十分あると思いました。
だいたい、芥川賞受賞作って、何を言いたいのか、分からない作品が多くて、つまらないと思うことが多いのですが、この作品は、私にとって久々に面白かった受賞作です。 (2004.05.12)