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「しゃばけ」    
畠中恵  


第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作
とぼけた味わい、愛嬌いっぱいで選考会場も大笑い!
愉快で不思議な妖怪人情推理帖 (帯より)


時代物は、少々苦手で、出来たら避けて通りたいジャンルですが、この本のように軽い感じのものは、読みやすいので、抵抗感も少ないです。
最初こそ、読み進むのに、難渋しましたが、だんだんと、話の流れが分かってくるうちに楽しんで読めるようになりました。

何よりいいのが、若旦那の一太郎が病弱という設定。今まで、あまりいないですよね、こんな弱々しい人。
ちょっとしたことで、すぐに寝込んで、生きるの死ぬのと大騒ぎ。
その彼が主人公の推理帖なんですからどうなることやらと目が離せません。

そんな彼の周りを固めて手となり足となっているのが、妖(あやかし)たち・・・つまり妖怪です(^^)。
最初は取っつきにくかった彼らも、読み進むうちに親近感がわいてきました。
特にいいのが鳴家(やなり)たち。家に住みついている小鬼たちなんですが、彼らのなんと可愛いこと!(^^)。 まるで、臆病な猫みたいです。

また、若旦那の親友も、いいですね〜。和菓子屋の跡取り息子なのに、和菓子作りの才能がない・・・(^^;
これは、本当に困ったものです。レシピさえ押さえれば、ちゃんと出来そうなものなのに、やっぱり適不適があるんですね〜。
彼が、よく登場し、そのたびに色々な和菓子が出てくるので、いつもは買わない和菓子を私も買ってきて、それを食べながらの読書となったのは、言うまでもありません(^^)。

装画(柴田ゆう)も可愛いです。色々な妖たちが描かれていて、本を読みながら、時々装画を見るのも楽しみの一つでした。 (2004.06.09)