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「幻夜」
東野圭吾  

名作「白夜行」から4年半。
あの衝撃が、今ここに蘇る。
永遠に太陽は求めない。
二人の夜が本物ならば。(帯より)


帯の紹介文からも分かるように、「白夜行」と共に読むと感動も大きいらしいです。私も、「白夜行」をかつて読むには読みましたが、いつものことながら、内容等をすっかり忘れてしまっているので、何とも残念です(^^;。

でも、この本だけを読んでも、もちろん面白い作品になっています。
いつもながらの東野さんのストーリーテリングによって、2段組500ページを超える大作を一気に読むことが出来ました。

今回の話は、何より美冬の人物造形がすばらしいです。
震災の大混乱の中、雅也が犯した罪の意識を利用して、彼の身も心も操る美冬。
途中から美冬の怪しい正体には気付かされるのですが、まさか、ここまでとは・・・。
後半、刑事と雅也が美冬の正体を暴いてゆく過程は、息をつかせず、一気読みしてしまいました。
それにしても、またまた謎を残した終わり方(^^;。う〜ん、罪作りな人ですね、東野圭吾!(^^)。

この物語の発端の舞台は、阪神大震災の神戸です。今までにも当時を舞台にした小説を読んだことがありますが、あまりしっくりしないものばかりでした。しかし、今回のこの小説は、その点でも、自然に受け入れることが出来ました。(2004.08.22)