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「世界の中心で、愛をさけぶ」
片山恭一  

泣きながら一気に読みました。
私もこれからこんな恋愛をしてみたいなって思いました。柴崎コウさん
十数年前。高校時代。恋人の死。
「喪失感」から始まる魂の彷徨の物語。(帯より)


泣きながら一気に読みました。という、柴崎コウの帯文句そのまま、泣きながら読みました。
ただ、病気中だったので、二回にわけて読みましたが・・・。それでも、後半は、涙涙でした。
高校生、純愛、白血病・・・なんと、陳腐な設定でしょう。でも、やはり泣かされてしまいます。
「冬ソナ」といい、これといい、こねくり回した最近の日本のドラマに飽き飽きた私たちは、純愛嗜好になったのでしょうか。

アキを失う朔太郎の悲しさ、無念さ、やりきれなさが胸に迫りました。
空港ロビーで朔太郎が「お願いです、助けてください」と呟くあたりは、号泣ものです(T_T)。
ラストにも、考えさせられました。「この世界には始まりと終わりがある」生きている限り、人はそうやって区切りをつけて生きてゆかなければならないのです。

この本が発売されたのは、2001年の4月。そして、今なお売れているのは、本当に驚異的ですねぇ。
それもひとえに、柴崎コウのこの帯文句で火がついたそうですね。ちなみに、それまでの帯文句は、佐藤正午さんの「これほど印象的なキスシーンを描いた小説はかつてなかった。」でした。
題名も、これまた、印象的ですよね。ただ、この題名は、有名なSF小説「世界の中心で愛を叫んだけもの」と酷似している・・・というかそのまんまだねぇ・・・という話もあります。 (2004.08.24)