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「ブルータワー」
石田衣良  


この塔は倒させない!3年ぶり待望の長編!
世界を救うのは、夢みる力!
魂の冒険と愛の発見の物語。
石田衣良の新たな挑戦ーーー
心ゆすぶられる
ヒューマン・ファンタジー!(帯より)



私のもっとも苦手なSFファンタジーでした。
何でもありのこの手のファンタジーは、ほんとに苦手で、読み始めの段階で、読むのをやめようと何度思ったことか・・・。それを最後まで読ませたのは、やはり、読者を飽きさせない石田衣良の筆力でしょうね。

私がダメだったのは、末期の脳腫瘍患者である瀬野周司が、突然飛んでしまう200年後の世界です。だいたい、登場人物の名前でめげてしまいますねーー(^^;。懲りすぎの名前は、ただ鬱陶しいだけで、嫌いです。
そして、現在と未来とで登場人物が、リンクしているのも、ちょっと受け入れがたかったです。もうそれだけで、敵なのか味方なのかが分かってしまいますからねーー。
ただ、インフルエンザの話は、興味深かったし、周りに「嘘つき王子」として期待されているのにもかかわらず、なんの打開策も見いだせない周司の焦りや苦悩は、よく分かり、後半は、引き込まれました。

それにしても、あの膨大な数字の羅列を覚えるのは普通不可能でしょう。でも、SFファンタジーですから、当然いくつかの奇跡が起こるんですね。そういうのって、やっぱり私は苦手です。私だったら、ラボのどこかに隠しておくけどねーーー(^^)。 (2005.04.08)