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「夜市」
恒川 光太郎  











選考委員激賞の、第12回日本ホラー小説大賞受賞作
何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。野球部のエースとして成長した祐司だったが、常に罪悪感にさいなまれていた。 (著者からの内容紹介より)


「夜市」と「風の古道」二作品が収録されていますが、「夜市」で第12回日本ホラー小説大賞を受賞しました。

「夜市」
どことなく妖しげで、心躍る夜のお祭り。そんな懐かしい雰囲気のする、実はホラーな物語です。
すごく良くできた話で、最後まで、とても面白く読めました。
文体も、暖かさがあって、好きな作品です。
これは、文章で読み、頭の中で情景を作り上げる物語で、間違っても、映像化はして欲しくないと思います〜。

「風の古道」
現実世界と隣り合わすように存在する古道。たまたまその道に紛れ込んでしまった主人公は、思ってもいなかった事に巻き込まれてゆく・・・。

両作品とも、子供の頃に、もしかすると、想像したかもしれないような世界を、実は存在するんだよと、秘密を明かされるような、なんだか懐かしく、そして、怖ろしい作品です。
これをこうやって物語にしてしまう著者はすごい!
日本ホラー小説大賞の選考委員全員が、絶賛していました。 (2006.04.16)