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「一瞬の風になれ @ イチニツイテ」
  佐藤 多佳子





青春小説の騎手、
4年ぶり待望の書き下ろし長編小説
「速くなる」
ただそれだけを目指して走る。
白い広い何もない、虚空に向かって・・・ (帯より)


中学から高校へ。サッカーから陸上へ。
まさに青春時代。色々な悩みと共に、大きく成長する主人公、新二の青春ストーリーです。

あまりにもキラキラきらめく青春小説なので、”青春”から遠く遠ざかってしまった私としては、最初、馴染むのが大変でした(^^)。
しかも、この主人公の新二が、すごくいい子なんですね〜。
サッカー熱狂一家の次男に生まれ、お兄ちゃんは、サッカーのプロも注目するような凄い才能の持ち主。新二も、サッカークラブに所属して人一倍頑張るのに、ちっとも芽が出ない。それなのに、ひねくれることなく、お兄ちゃんを心底尊敬しているんです。
そして、高校進学を機に、新境地を陸上に求めた彼ですが、そこにも、連という、陸上の才能に恵まれた新二の親友がいるわけです。
連の美しいフォームを頭にイメージしながら、ひたすら練習する新二。なんて、いい子なんでしょう〜〜(^^)。

初めての陸上競技に、戸惑いつつも、先輩や、先生のアドバイスを素直に吸収する新二。親友のことで悩み、女の子のことも気になり、自分の記録も伸ばしたい!
そんな新二が、とても愛おしくなる本でした。
この後、二部、三部へと、続きます。 (2007.03.28)