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「ジェネラル・ルージュの凱旋」
  海堂尊





桜宮市にある東城大学医学部付属病院に、伝説の歌姫が大量吐血で緊急入院した頃、不定愁訴外来の万年講師・田口公平の元には、一枚の怪文書が届いていた。それは救命救急センター部長の速水晃一が特定業者と癒着しているという、匿名の内部告発文書だった。病院長・高階から依頼を受けた田口は事実の調査に乗り出すが、倫理問題審査会(エシックス・コミティ)委員長・沼田による嫌味な介入や、ドジな新人看護師・姫宮と厚生労働省の“火喰い鳥”白鳥の登場で、さらに複雑な事態に突入していく。  将軍(ジェネラル・ルージュ)の異名をとる速水の悲願、桜宮市へのドクター・ヘリ導入を目前にして速水は病院を追われてしまうのか……。そして、さらなる大惨事が桜宮市と病院を直撃する。 (表紙折り返しより)


海堂さんに関しては、読む順番がめちゃくちゃになってしまったので、残念です。
ちゃんとした順番は、「チーム・バチスタの栄光」→「ナイチンゲールの沈黙」→「ジェネラル・ルージュの凱旋」→「螺鈿の迷宮」なのに、「チーム・バチスタ〜」→「螺鈿〜」→「ジェネラル・ルージュ〜」となってしまったのでした。しかも「ナイチンゲール〜」は、未だに未読です(TT)。
その上、この方の本は、順番通りに読んだ方が、より面白いようなので、本当に、惜しいことをいたしましたーーー(TT)。

メインキャラクターと、舞台となる場所は、「チーム・バチスタ〜」の時と同じで、新しいキャラとしては、姫宮が謎の看護婦として出てきます。「ナイチンゲール〜」では、出てこないのかな〜〜?

そして、問題の核心となるのは、救命救急センター部長の速水晃一。人呼んで、ジェネラル・ルージュ。クールで、なかなかの切れ者で、しかも、女にモテる!(^^)。
そんな彼を告発する怪文書が、リスクマネジメント委員長である田口の元に届くのです。
いったい誰が、何のために?!そして、ジェネラル・ルージュとは??

面白かったのですが、途中、倫理問題審査会(エシックス・コミティ)の委員長である沼田とのやりとりが、丁々発止とあるのですが、ここが、長い!。ここで、ちょっと挫折しそうになりました(^^;。
ここさえクリアできれば、ラストの速水のかっこよさにほれぼれ出来ます。

救急救命医療の現実、そして、長じて産科、小児科の現実。医療の矛盾に、考えさせられますねぇ。
何が悪いのか、誰の努力が足りないのか。いろいろと考えさせられることも多い小説です。 (2007.08.26)