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「川の光」
  松浦寿輝







『読売新聞』大人気連載の単行本化。川辺の棲みかを追われたネズミ一家が、新天地を求めて旅に出る。小さな命の躍動を余すことなく描き出した冒険物語 (出版社 / 著者からの内容紹介より)




ネズミの親子3匹の冒険物語です。

心地よいすみかを追われた、お父さんと幼い兄弟タータとチッチが、犬やネコ、スズメ、モグラなどの力を借りながら、新しい住まいを求めて、旅に出ます。
最初は、児童向けの動物ファンタジー小説なのかと思いましたが、読んでいくうちに大人も十分楽しめる物語だと思いました。

まず、動物たちの生き生きとした描写がすばらしい(^^)。ネズミさんたちもかわいいのですが、私が好きなのは、ゴールデンリトリバーのタミー。これは、著者の飼い犬がモデルになっているそうなので、彼女の仕草が、リアルで、著者の愛情を感じました(^^)。そして、私がネコ飼いなので、ネコのブルーもかわいいし、モグラのおばさんも、なかなか。そして、獣医の先生夫婦も素敵でした。

次々と人間の便利なように、作られ、破壊される環境には、憤りも感じました。
そして、ラスト近くのネズミ一家の運命にハラハラし、ちょっと涙しそうになりました(TT)。

本には、ネズミたちの通った道筋の地図も、かわいらしく載っているので、それを見ながら、あぁ、今は、ここにいるんだなとか、こんな景色を見ているんだなとか、想像するのも楽しかったです。(2007,11,30)