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「ストロベリーナイト」
誉田哲也  


姫川玲子、29歳、警部補。
警視庁捜査一課殺人犯捜査係所属。
彼女の直感は、謎めいた死体が暗示する底知れない悪意に、
迫ることができるのか! (帯より)



猟奇殺人事件を追う女性警部補、姫川玲子がヒロインの警察小説です。

出だしが、相当グロいので、読み続けるのを一瞬ためらいましたが、その他の部分は、割と面白く、すいすい読める作品でした。
殺人事件の解明もさることながら、警察内部の話も詳しく、巡査、巡査部長、警部補、警部、警視・・・などの階級がよく理解でき、捜査の方法なども、分かりやすく書かれていて、その点でも面白かったです。

特にいいのが、登場人物たちの濃いキャラクター。
過去に何かありそうな警部補の玲子は、若い女性でありながら、警察という男社会で、たくましく生きていて、ついつい応援してしまいます。
彼女の部下たちも、なかなかユニークで、ニヤニヤしながら読みました。

そして、なんといってもインパクトが強いのは、ガンテツこと勝俣健作。人を人とも思わない、厚かましさと、自己中心的思考。同じ警察でありながら、決して心を許さず、隙あらば人の手柄でも、自分の手柄にしてしまおうとする図々しさ。そして、ひどい女性蔑視。特に、同じ地位である玲子に対する対応は、ひどくて、読みながら私も、怒りまくってしまいました(^^)。

事件は猟奇的、主人公は美人警部補、彼女の過去も絡み、登場人物も濃く、泣かせるところもあったりして、なかなか面白かったです。
ただ、メインの事件が、猟奇的なので、相当な覚悟を持って読まないと、夜うなされそうですよ。 (2008,12,16)