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「草祭」
恒川光太郎



団地の奥から用水路をたどると、そこは見たこともない野原だった。「美奥」の町のどこかでは、異界への扉がひっそりと開く―。消えたクラスメイトを探す雄也、衝撃的な過去から逃げる加奈江…異界に触れた人びとの記憶に、奇蹟の物語が刻まれる。圧倒的なファンタジー性で魅了する鬼才、恒川光太郎の最高到達点。 (「BOOK」データベースより)



「夜市」以来毎年作品を発表してきた恒川さんの最新短編集です。
やはりこの方は、短編がいいですね〜。
この「美奥」にまつわる作品集も、繊細ですばらしかったです。


「けものはら」
恒川さんお得意の、何気なく入り込んでしまった未知の世界の物語。
行けるけれど、戻ってこれなくなるかも知れない、そんな土地。幼い頃に感じた事のある、あの恐怖を追体験しているような気がします。
そして、もしそこから出られなくなってしまったら・・・。

「くさのゆめがたり」
山と共に生きる青年が作り出した「クサナギ」とは・・・?

「天化の宿」
線路に沿って森の中を進んでゆくと、そこには、民家が建っていた。
そこで苦解きのための天化というゲームを始めると・・・。

「朝の朧町」
人生に疲れた女性が身を寄せた家の主が作り出す朧町。
この町に、美奥の秘密が終結しているようでした。
行ってみたいような、やっぱり行くのが怖いような、そんな世界がそこにあります。 (2009,01,11)