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「手」
山崎ナオコーラ


日本のロリコン文化を批評する、
新しいファザコン小説が
ここに誕生。
おじさんは可愛い (帯より)


表題作の「手」は、第140回芥川賞候補作です。(受賞したのは津村記久子さんの「ポトスライムの舟」)

著者の「カツラ美容室別室」を読んだときには、もう、この方の本は読むのをやめようと思ったぐらいでした。でも、こんな感じの短編の方が、合っているみたい。


「手」
寅井さんの、客観的な醒めた目が、印象的です。
人との、特に自分と同年代の人との関係を極力避け、大きく年の離れたおじさんたちと付き合う寅井さん。その方が、なんとなく、どちらも遠慮がちで、楽な関係を築けるって事かしら。
そして、彼女の密かな癒しの空間「ハッピーおじさんコレクション」(^^;。
ちょっと気持ち悪いかな〜。でも私も、映画俳優は、お年を召した人が好きだから、同じ様なことかな。
そんな彼女が、ラストに別れる男の涙を見たときのシーンは、なんだかとっても綺麗です。
男の人にとっては、こんな女の子、得体が知れずに、苦手な存在かもしれませんねぇ。

他に「笑うお姫さま」「わけもなく走りたくなる」「お父さん大好き」収録。

あ〜、やっぱり苦手かもーーー(^^;。 (2009,02,22)