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「女神記」
桐野夏生
























遥か南の海蛇の島、巫女の家に生まれた二人の姉妹。姉は大巫女を継ぎ、島のために祈り続けた。妹は与えられた運命に逆らい、島の掟を自ら破った。16歳で死んだ妹は、地下神殿で一人の女神と出逢う。―私はイザナミ、黄泉の国の女神です。 (「BOOK」データベースより)


「新・世界の神話シリーズ」の中の一冊です。
このプロジェクトは、世界中の出版社が一体となり、各国を代表する作家たちが語り直した神話を同時刊行する、という遠大な計画なのだそうです。
日本からは、桐野夏生が参加。ということで、この本が出来たそうです。
そう聞くと、他の作家の本も読んでみたくなりますね〜〜(^^)。

でも、とりあえず、馴染みの深い日本の神話。
とはいえ、この話の中心となるイザナギイザナミについても、あまりよく知りませんでした。
九州に旅行したとき、ガイドさんから神話の解説を聞いたり、高千穂で夜神楽のイザナギイザナミを見たりしたのですが、その時よりも面白く神話の世界がかいま見れて、悲しい話なのですが、わくわくしながら読めました。

それにしてもイザナミさん。神なのに死んでしまうとは。そして、その後の悲しい運命。険しい表情になってしまう気持ちも分かって、切ないです。
そして、思いを残しながらも、若い命を消すことになったナミマのとまどいも悲しかったです。

物事には必ず明と暗があり、その暗に割り振られた者の悲しみは、はかりしれません。でも人間とは、そういう縛りがあればこそ、貧しい生活にも耐えられるのかもしれません。それが、昔の人の生活の知恵なのかな。 (2009,03,07)