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「製鉄天使」
   
桜庭一樹



辺境の地、東海道を西へ西へ、山を分け入った先の寂しい土地、鳥取県赤珠村。その地に根を下ろす製鉄会社の長女として生まれた赤緑豆小豆は、鉄を支配し自在に操るという不思議な能力を持っていた。荒ぶる魂に突き動かされるように、彼女はやがてレディース<製鉄天使>の初代総長として、中国地方全土の制圧に乗り出すーーーあたしら爆走女愚連隊は、走ることでしか命の花、燃やせねぇ!中国地方にその名を轟かせた伝説の少女の、唖然茫然の一代記。里程標的傑作『赤朽葉家の伝説』から三年、ついに全貌を現した仰天の快作! (表紙折り返しより)




ずいぶん硬そうな題名だなぁと思いつつ読み始めたのですが、
なんとこれが、”ぱらりらぱらりら”の女の子たちの物語でした。
いわゆる、レディース。いわゆる女暴走族ですね。

あらら、私の守備範囲外の話だわ〜〜と、苦手意識満載で読み出したのですが、
これがまた、すごい話で・・・(^^)。

初めは、バイクが、ガラスを破って・・・?!
むむ??
そして、どんどん話が・・・
ファンタジックというよりも、漫画チックになっていき、
まるで、小説を読みながら、漫画を読んでいるかのように、
そのシーンひとつひとつが、劇画となって、目の前に現れてきました。

ある意味、読者や、評論家を、わざと挑発しているかのような、破れかぶれな作品(^^)。

でも、漫画だと思って読むと、これがまた、なかなか迫力があって・・・。。

美形中学生の女の子に、あれやこれや、ひどいことをさせたり、させられたり・・・。

ありえん話なのに、その友情とか、信頼感とか、将来像?が感じられ、
また、鬼のような総長の、素顔のはにかみとかが可愛かったり。

最終戦争が、ちょっとあっけなかったのが、残念だったのと、
スミレちゃんには、女代議士かなんかになって欲しかったですねぇ。

さて、はたして、小豆たちは、あれから、いったいどこに行ったのでしょう〜(^^)。 (2010,03,24)