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「化身」
   
宮ノ川 顕



まさかこんなことになるとは思わなかったーー。 一週間の休暇を南の島で過ごそうと旅に出た男は、軽い気持ちで密林へと分け入り、池に落ちて出られなくなってしまう。耐え難い空腹と絶望感、死の恐怖と闘いながら、なんとかして生き延びようとする彼は、食料を採ることを覚え、酒を醸造することを覚え、やがて身体が変化し始め、そして・・・。 端正な文体で完璧な世界を生み出した、日本ホラー小説大賞史上最高の奇跡「化身」に、書き下ろし「雷魚」「幸せという名のインコ」を収録。 (表紙折り返しより)




日本ホラー小説大賞は、今までにも、瀬名秀明の「パラサイト・イヴ」、貴志祐介の「黒い家」、岩井志麻子の「ぼっけえ、きょうてえ」、恒川光太郎の「夜市」などを生み出した、私好みの文学賞です(^^)。
本作は、第16回日本ホラー小説大賞受賞作です。

ただ、ホラーと言っても、想像していたものとは、微妙に毛色が違います。
おどろおどろしい話・・・というわけではなく、
もっとライトな感じ。
読んでいて、意外と、綺麗な映像が浮かんでくるような、そんな話でした。
これって、ホラーなんでしょうかねぇ??

男が、異国の密林で、深い穴に落ちてしまう話です。
脱出は、どうしても無理。
でも、気がつくと、そこには、生きてゆくために必要な物が揃っていて・・・。

いったいこの先、どうなってゆくのだろうと、引き込まれました。。

大賞を受賞したのは、表題作ですが、帯の”大賞史上最高の奇跡”って、あまりにも大げさで、笑ってしまいました(^^;。

他に2作収録されています。


「雷魚」
都市伝説に絡めた、ノスタルジックなホラー。
結末が、簡単に想像つきました(^^;。

「幸せという名のインコ」
私は、表題作と同じぐらい、好きな作品です。
メインが、オカメインコってところにも、親近感が湧きました。
オカメちゃん、私も大好き。
今は、ネコを飼っているので、飼えないけれど、いつか飼ってみたいと思っています。
そんなオカメのハッピーちゃんが、家に幸せを運んでくる・・・?という話です。
ライトにゾッとするところがいいですね〜〜(^^)。 (2010,04,08)