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「フリーター、家を買う。」
   
有川浩




「母さん死ぬな―」へなちょこ25歳がいざ一念発起!?崩壊しかかった家族の再生と「カッコ悪すぎな俺」の成長を描く、勇気と希望の結晶。 (「BOOK」データベースより)



イマドキの、ちょっとばかり世間を甘く見ていた25歳、武誠治。
彼が、あることをきっかけに、家を買おうと、奮闘する物語です。

せっかくそこそこの会社に就職しても、長続きせず、
そんな青年は、アルバイトだって、長続きするはずもないわけで、
でも、そんな甘ったれたことが出来るのも、家があって、親がいるからなのですよ。

ひょんな事で、その基礎的なところが揺らいだ時、どうしたらいいだろう?

そんな時は、やるっきゃないのですよね。

必死になったら、人は、何でも出来るのです。

いつもの恋愛モードとは違う、有川浩さんの作品でした。

ちょっとばかり、とんとん拍子過ぎるような気もするけれど、
でも、だからこそ、高揚感が得られます。
頑張れば、何でも出来る!と。

父親の描写が、なかなか良かったです。
「いるいる!こういう大人!こういう父親!こういう夫!!」って感じです。
やっぱり、男は、単純なのか?(^^)

自分の理解を超えることは、学ぼうともしないのよね(^^;。

でも、さすがに、長年社会人をしているだけあって、
やはり、学ぶべき事も、多いのでしょう。
そして、やり出すと、結構真面目に続けるところも、かなり微笑ましく思えました。

ずいぶん深刻な話なのですが、
案外サクサクと事が進むので、ちょっと物足りなさや、浅さも感じてしまいました。
でも、この明るさが、著者の魅力でもあるのでしょう。 (2010,05,02)