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「不思議の国のアリス」
   
ルイス・キャロル
 アーサー・ラッカム=絵 高橋康也・高橋 迪=訳


この物語を読むと 頭やからだが とても生き生きとしてきます (帯より)



ジョニー・デップの映画「アリス・イン・ワンダーランド」を見てから、アリスにはまってしまった私。
先日読んだ「アリスのティーパーティ」に続いて、原作まで読んでしまいました。
本当は、順番が逆なのですが・・・(^^;。

アリス本は、たくさんあるのですが、本屋さんで、この本に一目惚れ。
翻訳者が高橋康也夫妻、挿絵もアーサー・ラッカムというのは、「アリスのティーパーティ」を読んだ影響です(^^)。
おなじみのストーリーは、自分自身の子供の頃の記憶と、映画の映像、「アリスのティーパーティ」の解説によって、さらに深く味わうことができました。

それにしても、アリスが、こんなに世界中の子供たちに愛されたのは、どうしてでしょう。
子供の自由な空想力を刺激し、しかも教訓臭さもないからでしょうか。

教訓どころか、この本には、すぐに「首をはねろ!」と叫ぶ女王とか、かんしゃくを起こして物を投げつける料理番とか、ネムリネズミを紅茶ポットに突っ込むとか、そんなとんでもない登場人物たちが、わんさかと出てきます。
その上、いつも大人たちから言われているお行儀の作法なんかも無視したり、しゃべることだって、でたらめばかり(^^)。
堅苦しい大人なら、有害図書に指定してもおかしくないほどの内容(^^)。
そんなところが子供の心をがっちりつかんだのは、想像に難くありません。

童話っていうのは、結構残酷であったりするわけで、その流れなんでしょうかねぇ。
その点、当時の大人たちは、現代人より、タフというか、おおらかというか・・・なのかもしれないですね。

また、この作品の持ち味は、ルイス・キャロルの言葉遊びでもあるので、
この本の日本語訳は、話の流れを途切れさすことなく、さらに、ジョークにもなっているという絶妙の訳がなされています。

さらに、イギリスと日本とでは、言葉だけではなく、習慣や風習が全く違うわけで、
それにもかかわらず、よく日本に、アリスの話が受け入れられたなぁと、改めて感心してしまいます。

ひとえに、アリスを日本に紹介した人や、巧みな翻訳のおかげです。

というわけで、本には、たくさんの注釈と説明が付いています。
今回は、そこを重視して読み進めたので、
いちいち巻末をめくって注釈を読むのは、とてもめんどくさかった(^^;。
同じページに解説が付いていると、もっと読みやすいんだけどーーー。

さて、次は、「鏡の国のアリス」だわ!(^^) (2010,05,06)