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「贖罪」
湊かなえ  
   

 
つぐないって、なにをすることなのかな?
美少女殺害事件から三年後、
投げつけられた激情の言葉が、
彼女たちの運命を変えた。
ベストセラー『告白』の著者が贈る、本屋大賞受賞第一作
次世代を担う新鋭たちのレーベル≪ミステリ・フロンティア≫ (帯より)



あの大ヒット作「告白」が本屋大賞受賞した後の第一作目の作品です。
だからというか、なのにというか、作品の形式は「告白」にそっくりでした。

ある女性の衝撃の独白があり、その後、違う短編が始まるのかと思ったら、
「告白」と同じように、同じ事件に関わりをもつ、別の女性の独白が始まりました。

あ、またか・・・と思うと同時に、今度は、どんな驚きを私にもたらしてくれるのか?!という期待感も感じつつ、読み進みました。

子供の頃に体験した、恐ろしい事件。
小学生で、そんなことに遭遇したら、やっぱり、少なからず、心の傷となってしまうに違いありません。
でも、その上にさらに大きな重圧が重なったら・・・。

でも、その重圧が、無理矢理という気がしてしまいました。
そんなこと、まずあり得ないだろうと、思いましたが、
そのための伏線も、ちゃんと張ってあります。
でも、やっぱり、違和感を感じてしまいました。

ただ、自分の自責感から、トラウマがひどくなるのは、十分考えられますから、
違和感を感じたところが、惜しいな、と思いました。

ただ、この作品は、「告白」よりも、映像化しやすそうな気がします。
もし、映像化されれば、女優の競演が、見られそうで、楽しみです。 (2010,10,30)



映画「贖罪 インターナショナル版」